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 地域防災を担う自主防災組織(自主防)による人命救助活動が災害時に十分機能するかについて、全国の道府県庁所在地と東京23区の計69自治体に朝日新聞がアンケートしたところ、「分からない」と答えたのは約4割と最多だった。「半数以上」「ほとんどすべて」は合わせて3割にとどまった。大災害が相次ぎ、必要性が増す中、現状を把握していない自治体が多い実態が浮かんだ。

 25年前の阪神・淡路大震災では救助された人の約8割が近隣住民によるものだったとされる。自主防はすべての都道府県にあり、平均の活動カバー率(全世帯に対し活動範囲の地域にある世帯の割合)は、2018年4月時点で約83%に達する。だが、高齢化や都市化による人間関係の希薄化から、組織の形骸化が指摘されてきた。

 そのため、道府県庁所在地46市と東京23区に、自主防の現状や課題について聞く調査を昨年12月に実施。66自治体から回答を得た。

 地震や豪雨の際、自治体内にある自主防のどれくらいが避難支援や初期消火、建物の下敷きになった人の救出などの活動を十分できるかについて「分からない」が39%、「半数未満」が23%。一方、「半数以上」は24%、「ほとんどすべて」は6%にとどまり、実際に住民の命を救う活動ができる組織が少ないおそれがある。

 活動する上で、人材や訓練の面で課題になっていることも尋ねた。88%がメンバーの高齢化について「そう思う」(「どちらかと言えば」を含む)と答えた。防災訓練の参加率が低いと感じている自治体は56%(同)。若年層の参加や防災意識の向上を促す大切さが明らかになった。

 高齢者や障害者の避難支援、初期消火、建物の下敷きになった人の救出など、実践的な訓練ができていないと思うという自治体も35%を占めた(同)。災害時、実際に人命救助ができる組織づくりや訓練の実施など課題が浮かんだ。(千種辰弥、青瀬健、小池寛木)

■自主防災組…

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