日中「第5の政治文書」どうする 政府内に根強い消極論

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冨名腰隆=北京 太田成美
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 今春に予定される習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日に向け、日中両政府は「第5の政治文書」づくりに向けた水面下の調整を始めている。日中関係のあり方を方向付けてきた過去の四つの政治文書の時代から両国の立ち位置が大きく変わるなか、新たな協力の姿をどう記すかが焦点になる。だが温度差は大きく、合意できるかは予断を許さない。

 日中間の重要な政治文書は国交正常化を決めた1972年の「日中共同声明」以降、四つある。2008年の「第4の文書」では、国際社会で果たすべき両国の役割なども盛り込んだ。

 14日、外務省の秋葉剛男事務次官が陝西省西安で中国外務省の楽玉成次官と日中戦略対話を開いた。日本外務省によると、習氏訪日の環境整備に努めていくことで一致、北朝鮮情勢などについても意見を交わした。詳細は明らかにされていないが、中国外交筋は「第5の政治文書づくりに向けたキックオフの議論もある」と明かす。

 中国は習氏訪日にあわせて、新たな文書を出すことに意欲的だ。第3、第4の文書はいずれも江沢民(チアンツォーミン)、胡錦濤(フーチンタオ)両氏が国家主席として国賓訪日した際に合意しており、外交筋は「今回、文書をまとめるのは当然の流れ。外交成果で過去の主席に見劣りすることはあり得ない」と話す。

■意欲的な中国、「新時代」「…

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