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 逮捕されてから留置場に入るまでの約6時間、容疑者に食事を与えなかった警視庁の対応の是非が争われた訴訟の判決で、東京高裁は15日、対応が違法と判断して東京都に約1万円の賠償を命じた。近藤昌昭裁判長は「留置前でも食事の機会は最低限保障されるべきだ」と指摘した。

 判決によると、容疑者は2018年3月2日午後4時半過ぎに脅迫容疑で八王子署に逮捕された。その後、容疑者の申し出で外部の病院を受診し、午後10時過ぎに留置場に収容されたが、この間夕食をとれなかった。翌3日早朝に苦情を申し立て、同7時ごろに朝食の提供を受けた。容疑者は対応を問題視して15万円の賠償を求めて提訴した。

 刑事収容施設法は留置後の容疑者への食事提供を定めており、昨年7月の一審・東京地裁判決は「留置前の食事の提供は義務ではない」と訴えを退けた。だが、高裁判決は「逮捕されても生命・身体の維持に必要な活動を行うことは保障されなければならない」と指摘。留置前でも拘束が長時間に及ぶ場合は本人の希望を確認して提供すべきだったのに、同署がこれを怠ったと結論づけた。

 警視庁は「主張が認められなかったことは残念。判決内容を検討して対応を決める」とコメントした。(新屋絵理)