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 トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」をめぐり、米下院は15日、トランプ氏を「権力の乱用」と「議会の妨害」で弾劾(だんがい)訴追する決議(起訴状に相当)を上院に送付することを野党・民主党の賛成多数で決めた。米史上3例目となる大統領の弾劾(だんがい)裁判が正式に始まることになった。

 下院は昨年12月18日にトランプ氏を弾劾訴追したが、審理の進め方で民主党と共和党が折り合わず、下院民主党トップのペロシ下院議長は共和党から譲歩を引き出そうと決議を上院に送付していなかった。しかし、共和党が歩み寄らなかったため、これ以上送付を止めても効果がないと判断したとみられる。

 ペロシ氏は議決後、検察官にあたる弾劾管理人として、弾劾調査を主導した下院情報委員会のシフ委員長や下院司法委のナドラー委員長ら計7人の民主党下院議員を指名した。その後、決議が上院に送られた。

 これを受け、上院は16日に弾劾裁判の手続きを開始する。弾劾管理人がトランプ氏に関する弾劾訴追を提示した後、弾劾裁判長を務めるロバーツ最高裁長官と陪審役を務めるすべての上院議員(定数100)が宣誓を行う。本格的な審理は21日から始まる見通し。

 弾劾訴追決議によると、トランプ氏は昨年7月、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、大統領選のライバルとなる民主党のバイデン前副大統領に打撃を与えようと、バイデン氏に関する疑惑を調査するよう求めた。また、ウクライナへの軍事支援を凍結して圧力をかけた疑いがかけられている。(ワシントン=土佐茂生)