拡大する写真・図版インタビューに答える日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告=2020年1月10日、レバノン・ベイルート、竹花徹朗撮影

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 日産自動車は16日、カルロス・ゴーン前会長による不正を許してきたガバナンス(企業統治)の改善などに関する報告書を東京証券取引所に提出した。CEO(最高経営責任者)の裁量で使える予算「CEOリザーブ(予備費)」を利用した支出や、仏自動車大手ルノーとの統括会社を舞台にした会社資金の私的流用など、前会長の不正に関する社内調査結果を新たに盛り込んだ。逃亡先のレバノンで開いた会見で「無実」を主張した前会長と真っ向から対立する内容だ。

 報告書では、前会長がCEOリザーブを使って、海外の知人が経営する企業や、販売代理店に計4670万ドル(約51億円)の不正な支出をしたと認定。前会長をめぐる特別背任事件で、東京地検特捜部が起訴した内容に重なる。

 ルノーとの統括会社「ルノー・日産BV(RNBV)」を通じて、パリ郊外のベルサイユ宮殿でのパーティー費用、ブラジル・リオデジャネイロのカーニバルやカンヌ映画祭への知人の招待費用などの私的な支出を含め、少なくとも計1137万ユーロ(約14億円)の不正支出があったとも認定した。これらの調査結果は、昨年6月に東証に提出した「改善報告書」の内容に付け加える形で盛り込んだ。日産幹部は「会見への反論にもなっている」と話す。

 レバノンに逃亡したゴーン前会長は、ベイルートで8日に開いた記者会見で、CEOリザーブについて「多くの役員がチェックするものだ。私のサインだけで支払われたCEOリザーブは1ドルもない」と主張。RNBVを通じた支出についても不正を否定した。日産は報告書でこうした支出の背景について、前会長が「事実を隠したため、取締役会に参加した取締役は不自然さを探知できず、監査役も是正できなかった」と指摘。CEOリザーブの不正支出などを他の役員が承認したのは、前会長が必要な情報を開示しなかったためだと主張した。(友田雄大)

【動画】記者の質問を受ける日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告=恵原弘太郎撮影