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 中国国家統計局が17日発表した2019年の国内総生産(GDP、速報値)は、物価上昇を除く実質成長率が6・1%だった。18年を0・5ポイント下回った。天安門事件後の1990年に記録した3・9%以来の低水準だ。政府の「6・0~6・5」の年間目標は達成したが、下限近くだった。

 あわせて発表した19年10~12月期の成長率は前年同期比6・0%で、四半期で比べられる92年以降最低だった7~9月期から横ばいだった。

 19年は米中貿易摩擦に伴う先行きの不透明さや金融の引き締め方針が続き、企業に新たな投資を手控える動きが広がった。建物など固定資産投資の通年の伸び率は、前年から0・5ポイント縮み5・4%だった。

 消費者も高額商品の購入に慎重になり、新車販売は2年連続の前年割れとなった。小売総額の伸び率は前年より1・0ポイント小さい8・0%だった。

 世界全体に対するドルベースの貿易額は、輸出が微増だったが輸入は減った。

 20年は、習近平(シーチンピン)指導部が「小康社会(ややゆとりのある社会)」の全面的実現を掲げる政治的に重要な年だ。当時の基準で見た実質GDPを10年比で倍にする国家目標の達成期限でもあり、経済計画「第13次5カ年計画」の最終年にもあたる。このため政府は景気のてこ入れを強めることになりそうだ。

 中国人民銀行(中央銀行)は年始から預金準備率を下げる緩和策に出た。外資への技術移転の強制を禁じる外商投資法も施行し、外国からの投資を呼び込もうとしている。15日には米国と通商交渉の「第1段階の合意」に署名した。貿易摩擦の重圧が多少、和らぐ可能性がある。

 国家統計局は同時に19年末の人口も発表した。前年比467万人増の14億5万人となり、14億人の大台を突破した。(北京=福田直之)