拡大する写真・図版問題用紙が配られるなか、センター試験の開始を待つ受験生たち=2020年1月18日午前9時10分、福岡市西区の九州大、堀英治撮影

 大学入試センター試験が18日、全国各地で始まった。志願者は昨年に比べて1万9131人少ない55万7699人(男性31万4037人、女性24万3662人)。センター試験は今年が最後の実施となり、来年からは「大学入学共通テスト」となる。

 31回続いたセンター試験は、国公立大が対象だった共通1次試験に代わり、1990年に始まった。私立大や短大にも門戸を開き、1科目からでも自由に使えるようにした。2006年に導入された英語の「リスニング」が、ICプレーヤーの不具合などで混乱したこともあったが、問題の質や障害者への配慮などについて教育関係者の評価はおおむね高かった。

 一方で、数十万人分の解答を短時間に採点するために共通1次と同じ正しい選択肢の枠を塗りつぶすマークシート式を採用したこともあり、暗記した知識量を問う傾向が強いという批判もつきまとった。

拡大する写真・図版雪の舞う中、試験場へ急ぐ受験生=2020年1月18日午前7時56分、山梨県都留市の都留文科大学、河合博司撮影

 来年から始まる大学入学共通テストは、こうした点を改善しようとした。国語と数学に記述式問題を導入し、英語でのコミュニケーション力を評価するために「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測る民間試験の活用が決まっていた。だが、昨秋、受験生の住む地域や家庭の経済状況で受験機会に格差が生じることや、採点の精度向上といった課題が解決できない点などが政治問題になり、土壇場になってどちらも見送りが決まった。

 入試改革の目玉は失われたが、来年から共通テストが始まる点は変わらない。当面はセンター試験と同じ全問マーク式が続くことになる。ただ、出題内容には大きく変わる部分もあるため注意が必要だ。

拡大する写真・図版受験生の手の上にタコのぬいぐるみを置いて「タコは英名で?」と質問。「オクトパス」と縁起を担いで生徒を送り出す高校教諭=2020年1月18日午前8時9分、福岡市西区の九州大学、堀英治撮影

来年から共通テスト 解答に時間かかるか

 共通テストでは、日常生活を題材にしたり、多数の資料を読み解いて解答を導き出したりする出題が増える。学習指導要領が重視する「思考力、判断力、表現力」をマーク式でも測ろうとしているためだ。解答するのに必要な資料を見つけ、読み解いて解答するため、これまでよりも解答に時間がかかる受験生が増えるとみられる。

 科目別でもっとも変化が大きいのは英語だ。「読む・聞く」の2技能を測る点は同じだが、配点が大きく変わる。センター試験では、単語の発音や文法、読解力などを問う「筆記」が200点、聞く力を問う「リスニング」が50点だった。これに対し、共通テストでは、読む力の測定に特化した「リーディング」と、「リスニング」の配点がいずれも100点で同じ扱いに。リスニングの比重が大幅に増える。センター試験では、リスニングの問題文を2回ずつ読み上げていたが、共通テストは1回読みも混在させる。実際の会話に近づけるとともに、試験時間を変えずに問題の量を増やす試みだ。

拡大する写真・図版試験前に参考書などを手にする受験生たち=2020年1月18日午前8時24分、福岡市西区の九州大、堀英治撮影

 記述式がなくなった国語や数学も、読解力を問う設問が増え、難易度は上がるとみられている。入試センターは、今月中に来年の試験時間や出題内容などの詳細を発表する予定だ。

 民間試験や記述式の見送りを受け、それらの成績を合否判定などに活用するとしていた各大学は、対応を見直している。対応方法が決まるごとに、ホームページなどで発表するので確認が必要だ。また、大学によっては、センターが設定した配点を独自に変更して合否判定に使うため、正確に把握しておく必要がある。(増谷文生)