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 映画化もされた小説「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」の作者の息子、クリストファー・トールキン氏が死去した。95歳だった。トールキン協会が16日、発表した。クリストファー氏は編集者として父J・R・R・トールキン氏の遺稿をまとめ、数多くの作品を世に出した。

 英紙ガーディアンによると、クリストファー氏は1924年に、イングランド北部のリーズで生まれた。幼少期には父から、後に「ホビットの冒険」のもとになる物語を聞いて育ったという。

 クリストファー氏は「指輪物語」が出版された際には、舞台となった架空の国「中つ国」の詳細な地図を描いた。父の死後、遺稿を整理して編集し、「シルマリルの物語」などを世に出した。トールキン協会のショーン・ガンナー会長は「我々にこれらをもたらしてくれたことに、世界中の人々が永遠に感謝するだろう」と功績をたたえた。

 一方で、「ロード・オブ・ザ・リング」の映画化の後、父の作品が過度に商業化の波にさらされていくことに危機感も募らせた。AFP通信は、クリストファー氏が2012年に仏紙に「商業化が作品の美的・哲学的影響力を損ねてしまった」などと語ったことを伝えた。トールキン氏の遺産管理団体は12年に、映画配給元のワーナー・ブラザースが著作権を侵害したとして損害賠償請求訴訟を起こし、後に和解した。(ロンドン=和気真也)