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 ただいま公開中の映画「音楽」は、音を鳴らす楽しさという初期衝動に憑(つ)かれた不良3人組を描いた長編アニメで、それを7年半の個人制作を経て完成させた岩井澤健治監督も初期衝動と言うには長すぎるけれど大橋裕之さん原作のマンガを映像化することに憑かれた人で、映画の内と外にあふれる初期衝動としか言いようのない原初的なこの喜びは、ちょうど放送が始まったばかりのテレビアニメ「映像研には手を出すな!」に共通するなあ、と思ってこんなタイトルをつけました。こっちはヒマを持て余した不良少年3人組、あっちもはみ出し娘3人組だし。

 女子高生がアニメ作りに挑戦する「映像研」の原作者・大童澄瞳(おおわら・すみと)さんも、専門学校を卒業後に2年間アニメの自主制作に打ち込んだ経験の持ち主で、結局アニメ作りには挫折したものの「自分の絵を動かす」という初期衝動は主人公らに託してマンガにたっぷり注ぎ込んでおり、それが開花するのが妄想シーンです。主人公らがSFファンタジー的なめくるめく想像の世界を縦横無尽に翔(かけ)る場面は、マンガでもアニメでも爽快なスペクタクルになっています。

 ひるがえって映画「音楽」の初期衝動はもっとシンプル&ストレートな描写です。終盤には音楽フェスでのライブという観客にもっとサービスしたシーンが出てくるのですが、私にとって一番強烈な印象を残したのは、楽器の弾けない研二と太田と朝倉がベースとベースとドラムで初めて音を出した瞬間。平凡な一戸建ての2階の研二の部屋、「せえの」でボオオオオン!!とぶちかまします。

 アニメはその瞬間、キャラに幾…

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