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数学Ⅱ・B

 第1問は2015年度以降三角関数と指数関数・対数関数の問題の組み合わせが続いている。第4問のベクトルでは、2年連続で空間ベクトルから出題された。

【難易度】やや難化

【全体概観】

 必答問題が2題と、選択問題3題から2題の選択、合計4題となっている。第1問は[1]が三角関数の不等式の解がテーマの問題、[2]が指数関数・対数関数からの出題で、指数の計算、及び対数の連立不等式が出題された。第2問は二つの放物線の共通接線と、囲まれた図形の面積に関する微分・積分の問題である。第3問は数列の問題で、隣接二項間の漸化式を誘導に従って解いていく問題であり、最後は項の和を3で割った余りを考える。第4問は昨年に続き空間ベクトルの問題で、基本的な計算が中心である。第5問は例年と同様、正規分布表が与えられた確率分布の問題であった。

第2問、第3問、第4問の計算量がやや多く、昨年と比べるとやや難化した。

設問別分析

【第1問】三角関数、指数・対数関数

[1](三角関数)

 (1)は三角比の不等式を解き進める問題である。誘導は丁寧で、流れに沿って計算すれば難しくはない。基本的な内容である。(2)は方程式の2解をsinθ、cosθとする問題で、解と係数の関係、三角比の相互関係を用いて計算を進める典型的な問題である。こちらも基本的な内容である。

[2](指数関数・対数関数)

 (1)は指数の基本的な計算、式の対称性を利用した計算である。典型的な出題である。(2)は対数不等式を多項式に置き換えて解く問題である。置き換えまでは基本的だが、整数解の決定という後半の設問で戸惑う受験生は少なくないだろう。

【第2問】微分法・積分法

 二つの放物線の共通接線、およびそれらが囲む図形の面積に関する問題。よく出題される設定ではあるものの、曲線同士の位置関係などが読み取りにくく、また、計算もやや煩雑である。計算の工夫を行わないと、最後まで解き進めることは難しいだろう。

【第3問】数列(選択問題)

 複雑な漸化式を、誘導に従い変形を進めて一般項を求める問題である。文字同士の対応関係、階差数列の理解、和の計算の工夫、など一通りの内容を理解していることが求められる。また、置き換えがやや複雑であり、正確に計算を進める力が求められる。

【第4問】ベクトル(選択問題)

 (1)(2)は成分によるベクトルの大きさ、内積の計算である。(3)は四角形の形状を問う問題であるが、2線分が垂直であること、対辺の長さの比から判断できる。(4)では四面体の体積を問われている。(3)までで求めた事柄を利用して、必要な長さを求めれば解決できる。総じて、方針は立てやすいものの計算量が多い。ミスに注意しながら着実に解き進めたい。成分計算で進めるか、ベクトルのままで大きさと内積から計算を進めるか、要所で適切な判断が求められる。

【第5問】確率分布と統計的な推測(選択問題)

 ある市の市立図書館の利用状況に関する調査の問題である。ある1週間で借りた本の冊数や利用者数、利用時間についての基本的、標準的な計算が中心である。最後に信頼度95%の信頼区間を求める問題が出題された。

新高3生へのアドバイス

 大学入学共通テストの数学Ⅱ・Bでは、数学I・Aよりも発展的な出題が多い一方、数学I・Aの学習を土台としているため、数学I・Aが未完成な状態では高得点は望めません。まずは、できるだけ早く数学I・Aの基礎を完璧なものにしましょう。その上で、数学Ⅱ・Bの基礎を固めていくことが、効率的な学習となり、総合的な数学の力を自分のものにしていくことに繋がります。

 数学Ⅱ・Bのそれぞれの分野において、基礎・基本を身につける上で重要なポイントは以下の通りです。

◆方程式・式と証明

 3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、しっかりと理解しておく必要があります。特に整式の除法は、剰余の定理、因数定理の導出の基となるものなので、原理からしっかりと理解を深めておきましょう。

◆三角関数

 加法定理から派生する倍角公式などは丸暗記でなく、導出過程も含めて理解し、さらに実際に使いこなせるレベルまで達する必要があります。求めるものによって、適切な式変形が素早く出来るように、まず加法定理を完全に理解しましょう。

◆指数・対数関数

 指数法則、およびそこから導かれる対数計算、底の変換の計算などがいかに正確に素早くできるかがポイントです。指数や対数の底の大きさによる大小の場合分けや、対数の真数条件などの基本事項を理解した上で、計算のスピードを上げる練習をしましょう。

◆図形と方程式

 座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式の求め方は必ず理解しておきましょう。また、領域における最大・最小問題は、文字のとり得る値や不等号の向きに注意して正しく図を描くことが重要になります。図から大小が容易に判断できない場合には、計算で比較を行うなど臨機応変な解法が取れるようにしましょう。

◆微分法・積分法

 関数とその導関数の対応について、グラフによる視覚的な理解をしておくことが重要です。また、面積の積分計算も確実にできるようにしておく必要があります。面積を求める領域の把握が第一歩となるので、日ごろから<面倒がらずに図を描く習慣>を身につけましょう。

◆数列

 等差数列、等比数列の決定とその和、漸化式、群数列など出題テーマが多岐にわたる分野ですが、いずれにおいても項の対応(規則性)を考えることが重要です。日ごろから具体的に項を書き並べて考えることを習慣を身につけましょう。

◆ベクトル

 内積計算、2直線の交点の位置ベクトル、ベクトルの垂直・平行条件、共線条件、共面条件などを押さえておく必要があります。一つ一つ整理して、確実に理解しましょう。

 これらの分野を効率よく学習するには、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題と、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」ことや「図やグラフを描いて考える」ことを積み重ね、早期に基礎を確固たるものにするために、問題演習を繰り返しましょう。

 物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら使いこなすことができるようになることです。解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけることができます。

 数学Ⅱ・Bの問題は、数学I・A以上に抽象的に考えさせる問題が多く、また計算量も多いため、時間が足りないと感じることも多いと思います。大学入学共通テスト対策としては、限られた時間で正確に解けるように演習を繰り返すことが欠かせません。

 東進では「全国統一高校生テスト」を含めて年6回実施される「共通テスト本番レベル模試」があります。大学入学共通テストの傾向や自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にして大学入学共通テスト対策を進めていきましょう。

新高2生へのアドバイス

 2021年度からはじまる大学入学共通テストの数学Ⅱ・Bでは、授業風景や日常生活に関する対話形式の問題、および一つの問題に対して複数の方針で考える問題の出題が予想され、長い問題文から必要な情報を読み取って解き進める力、問題を深く考え考察する力が要求されます。自分自身の情報を読み取るスピードを把握した上で、与えられた情報をより速く正確に読み取って解き進める力を身につけていく必要があります。そのためにも、まずはその土台となる数学I・Aと数学Ⅱ・Bの基礎・基本を確実に理解することが重要です。

 数学I・Aの基礎・基本を確実にした後、数学II・Bのそれぞれの分野において、新高2生の今から身につけておくべきことは以下のとおりです。

◆方程式・式と証明

 3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、しっかりと理解しておく必要があります。特に整式の除法は、剰余の定理、因数定理の導出の基となるものなので、まずはその原理をしっかりと理解しましょう。

◆三角関数

 加法定理から派生する倍角公式などを丸暗記でなく、導出過程も含めて理解することが重要です。まずは加法定理を正確に覚え、他の公式が自由に導出できるように式変形する練習を積みましょう。

◆指数・対数関数

 指数法則、およびそこから導かれる対数の性質、底の変換などをまず理解しましょう。さらに、底の大きさによる増減、対数の真数条件なども押さえながら素早く正確に計算する習慣を身につけましょう。

◆図形と方程式

 座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式の求め方をまず理解しましょう。そして、図を視覚的に捉える方法、数式で表現する方法の双方をしっかりと鍛えましょう。

◆微分法・積分法

 関数とその導関数の対応について、グラフによる視覚的な理解をしておくことが重要です。また、面積の積分計算も確実にできるようにしておく必要があります。まずは、面積を求める際の領域を正確に把握できるように、グラフを正確に描く習慣を身につけましょう。

◆数列

 項の対応(規則性)を考えることが最も重要です。公式を丸暗記するのではなく、書き並べて考えるなどの習慣を身につけましょう。

◆ベクトル

 ベクトルも図形問題なので、図を描いて考えることが基本です。点がその図の中のどのような位置にあるのかを常に意識しながら解き進めるようにしましょう。

 入試レベルの問題に取り組むために、まず今すべきことは数学I・Aを完璧にすることと基本を確実に身につけることです。教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップして学習することが、実力を高める一番の近道です。

同時に「計算を最後までやり抜く」、「図やグラフを描いて考える」といった基本的なことを一つ一つ確実に積み重ねることによって、しっかりとした基礎力を高2の時点から養成しましょう。

 物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら使いこなすことができるようになることです。解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進む勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力を身につけることができます。

 東進では高2生向けに「全国統一高校生テスト(高2生部門)」をはじめ、「高校レベル記述模試」「大学合格基礎力判定テスト」などを用意しています。自分の現在の力を知り、さらに不得意分野、弱点を明確にして本格的な大学受験対策に向けて大いに役立ててください。そのためにも、模試は毎回欠かさず受験するようにしましょう。

 さらに自信のある人は「全国統一高校生テスト(高2生部門)」に加えて、偶数月に実施される、受験学年と同じ「共通テスト本番レベル模試」も受験しましょう。真剣に問題に取り組む時間は、学力を伸ばす絶好の機会です。(東進ハイスクール提供)