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化学

 大問構成と設問数に変更はなし。マーク数は全体で三つ増加し、特に第3問の無機物質では二つ増加した。第5~7問で配点に変更があり、選択問題の得点が1点減少した。過去のセンター試験で類似した問題が見られたものもあったが、第1問の問5や第2問の問5、第3問の問5など目新しいタイプの問題もあった。

【難易度】昨年並み

【全体概観】

 大問構成は必答問題・選択問題ともに昨年から変更はなく、設問数も変化なし。マーク数は全体で三つ増加し、全体で32となった。選択問題では、例年同様教科書の後半で取り扱う高分子化合物が出題されたが、配点が4点に減少した。第1問の問4、問5や第2問の問3、第6問の問2などは多くの受験生が苦手とするテーマからの出題であった。また、第1問の問5の浸透圧からモル質量を求める問題や第2問の問5のpH指示薬の電離平衡と滴定曲線を絡めた出題は、過去のセンター試験では出題されていないテーマであったが、類似の問題を問題集などで解いた経験がある受験者もいたと思われる。第2問の問1、問3などはグラフから必要な情報を読み取って解答する必要があり、難しかった。なお、知識を問う正誤問題は、四択問題の割合が増加し、比較的解きやすかった。全体としての難易度は昨年並みであった。

設問別分析

【第1問】物質の構造・状態

問1 ハロゲンの原子に関する正誤問題であった。ハロゲンの性質に関する基本的な知識を基に判断する。

問2 純物質の状態図に関する正誤問題であった。臨界点に関する内容は盲点になっていた受験者も多かったと思われる。沸点、昇華点、融点の高低に関しては、図から判断できる。

問3 混合気体の密度に関する問題であった。H2とN2の物質量比から、この混合気体の平均分子量を求めることができたかがポイントである。

問4 液体の飽和蒸気圧に関する問題であった。水銀柱に関する問題は苦手とする受験者が多かったと思われる。また、mmHg単位で求めた蒸気圧を、Pa単位に変換する必要もあり、難しい。

問5 浸透圧に関する問題であった。半透膜の両側にかかる力の釣り合いが意識できていれば、浸透圧が分かるため、ファントホッフの法則よりモル質量を求めることができる。

問6 コロイドに関する正誤問題であった。コロイドに関する基本的な知識を基に判断する。

【第2問】物質の変化と平衡

問1 鉄の酸化物の化学式と生成熱に関する問題であった。aは、問題文と図1のグラフの情報からAを構成する鉄原子と酸素原子の物質量比を求めることができれば正解できる。bは、発生した熱量と生成したAの物質量を計算すれば、求めることができる。 

問2 反応熱に関する問題であった。熱化学方程式やエネルギー図を書くことで、Q、Q1、Q2の関係を調べることができる。なお、反応熱と生成熱に関する公式を覚えていれば、熱化学方程式やエネルギー図を書かなくてもすぐに解答できる。

問3 反応速度に関する問題であった。図2からaの値、図3からbの値が分かるため、それらの値を基に求めることができる。

問4 可逆反応における反応時間と生成物の生成量に関する問題であった。「反応速度」と「ルシャトリエの原理」を別々に考えることができたかがポイントである。

問5 中和滴定の指示薬に関する問題であった。電離定数の値からこの指示薬の変色域を求め、その変色域と中和点が重なっている滴定曲線を選べば解答できる。

【第3問】無機物質

問1 無機物質の性質に関する正誤問題であった。やや細かな知識を問う設問であったが、四択であることから消去法で解くことも十分可能である。

問2 酸化物に関する正誤問題であった。各酸化物の性質に関する基本的な知識を基に判断する。

問3 金属イオンの分離に関する問題であった。aは、塩化物イオンと沈殿をつくる金属イオンを覚えていれば正解できる。bは、錯イオンに関する基本的な知識を基に判断する。

問4 カルシウムの化合物に関する正誤問題であった。化合物A~Dを決定し、これらの物質に関する基本的な知識を基に判断する。

問5 ニッケル水素電池に関する問題であった。A・h(アンペア時)という単位に戸惑った受験者が多いと思われる。ニッケル原子の酸化数の変化に着目し、計算する必要がある。

【第4問】有機化合物

問1 炭化水素に関する正誤問題であった。エタンとエチレンの炭素原子間の結合距離や、プロパンの分子構造については、盲点になっていた受験者もいたと思われる。

問2 有機化合物の分子式に関する問題であった。nを用いて、燃焼させた有機化合物の物質量と生成した水の物質量の関係式を作ればnを求めることができる。

問3 有機化合物の水溶液における酸性の強さに関する問題であった。酸性を示す官能基に関する基本的な知識を基に判断する。

問4 鏡像異性体(光学異性体)に関する問題であった。分子式を基に、不斉炭素原子を持つ構造を見つけられたかがポイントである。

問5 エステルの合成に関する問題であった。aは、エステルの合成実験に関する基本的な知識を基に判断する。bは、実験Ⅱの文章を基に判断する。

【第5問】高分子化合物

問1 高分子化合物の原料(単量体)に関する問題であった。身のまわりの合成高分子化合物に関する基本的な知識を基に判断する。 

問2 アミノ酸のイオンの構造に関する問題であった。各アミノ酸の等電点を基に、pH 6.0におけるアミノ酸Aのイオンの構造、pH 7.0におけるアミノ酸Bのイオンの構造が分かったかがポイントである。

【第6問】合成高分子化合物(選択問題)

問1 合成高分子化合物に関する正誤問題であった。合成高分子化合物に関する基本的な知識を基に判断する。

問2 合成高分子化合物を構成する単量体の物質量比に関する問題であった。mとnを用いて平均分子量を表す式と、炭素原子と塩素原子の物質量比を表す式を立てればmを求めることができる。

【第7問】天然高分子化合物(選択問題)

問1 天然高分子化合物に関する正誤問題であった。天然高分子化合物に関する基本的な知識を基に判断する。

問2 糖類の反応に関する問題であった。デキストリンの平均分子量を基に、得られたマルトースの物質量を求めることができたかがポイントである。

新高3生へのアドバイス

◆はじめに

 皆さんの学年から、大学入学共通テストの受験がスタートします。新しいテストのため、不安を感じている人も多いと思います。確かに、センター試験とは一部異なるタイプの問題が出題されることになりますが、国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験などの受験を意識して学習を進めていけば、何か特別な対策をしなくてはいけないわけではないので、あまり心配しなくても大丈夫です。まずは、なるべく早く教科書の内容を一通り学習し終えることを目標に頑張りましょう。

◆大学入学共通テスト化学で予想される設問

 近年のセンター試験や大学入学共通テストの試行調査では、「考えて解く」問題の出題が増加しています。具体的には、図やグラフ、表などから必要な情報を読み取り、解答を導くような問題が出題されます。普段から丸暗記中心の表面的な学習だけでなく、各分野の根本的な部分を理解しながら学習を進めるようにしましょう。また、一部過去のセンター試験と類似した出題も予想されるので、本番に挑む前には、センター試験の過去問演習を積んでおきましょう。

◆まずは理論化学の徹底理解を!

 化学の学習を進めていく上で、理論化学の分野をしっかりと理解することがとても大切です。なぜなら、その後に学習する無機化学や有機化学の学習は、理論化学で学んだことが土台となるからです。理論化学がしっかりと理解できていれば、無機化学や有機化学の学習もスムーズに進めることができます。

◆高3の1学期までに全範囲を終わらせよう!

 皆さんにぜひ目標にしてもらいたいのが、「高3の1学期までには、教科書レベルの内容を一通り学習し終える」ということです。共通テストの化学では、“いかに早期に一通りの分野を学習し終えるか”がカギとなります。その期限は、遅くとも高3の1学期までと設定しましょう。そのために、今から計画的に学習を進めてください。

◆模試を活用しよう!

 過去のセンター試験や共通テストの試行調査をもとに、出題内容や問題レベルを分析して作られる東進の「共通テスト本番レベル模試」は、全国統一高校生テストを含めて年間6回実施されます。これらの模試を活用することで、問題の傾向を把握し、現状で自分に足りていない部分を把握することができます。上手に模試を活用し、来年の本番に向けて十分な学力を身に付けていきましょう。

新高2生へのアドバイス

◆はじめに

 大学入学共通テストの化学は、「化学基礎」と「化学」の教科書の内容から出題されます。他教科に比べて出題範囲が広く、試験本番で高得点を取るためには、できるだけ早期に教科書の内容を一通り学習し終えることがカギとなります。今のうちから計画的に学習を進め、3年生になったときに焦らなくて済むようにしましょう。

◆大学入学共通テスト化学で予想される設問

 共通テストでは、単に知識を問う問題ではなく、与えられた図やグラフ、表などから必要な情報を読み取り、解答を導くような「考えて解く」問題が出題されます。普段から丸暗記中心の表面的な学習だけでなく、各分野の根本的な部分を理解しながら学習を進めるようにしましょう。

◆普段から化学現象を理解することを心がけよう!

 「考えて解く」問題に対応する力を身に付けるには、常に化学現象を理解しながら学習を進めることが大切です。問題を読んでも、そこで起こっている現象が理解できなければ、考えることなどできません。いつも“覚える”ことに集中してしまう人は要注意です。普段から、今考えている化学現象の中で物質がどのように変化しているのか、なぜそのような反応が起こるのかを頭の中で想像する訓練をしましょう。

◆模試を活用しよう!

 東進の「共通テスト本番レベル模試」は、過去のセンター試験と共通テストの試行調査をもとに出題内容や問題レベルを分析して作られており、全国統一高校生テストを含めて年間6回実施されます。積極的に受験し、万全の態勢で2年後の本番を迎えられるようにしましょう!(東進ハイスクール提供)