記者解説 編集委員・東野真和

拡大する写真・図版関東大震災時の「砂町小学校内避難民収容状況」=1923年撮影、東京都公文書館所蔵

 1枚の古い写真がある。1923年9月の関東大震災で避難所になった東京の小学校。「16日後」とふちに記されている。避難者が床に雑然と座り、布団が積まれている。昨年10月の台風19号襲来から20日以上経った福島県の避難所の写真と見比べる。あまり差を感じない。

拡大する写真・図版台風19号が通過後、20日以上経った避難所=2019年11月8日、福島県内

 私はこの9年近く各地の被災地で避難所を見てきた。テントや簡易ベッドが並び、充実した食事が用意された所はまれだった。台風19号が通過した10日後、新潟大の榛沢(はんざわ)和彦特任教授に同行し、福島県の避難所でエコノミークラス症候群の検診を取材した。最初に検診した女性の足に発症につながる血栓が見つかった。運動不足からだった。

 被災直後なら仕方ないとしても、しばらく経った避難所の様子が100年近く変わらないのはなぜか。

 2014年にできた避難所・避…

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