妊娠言えなかった学生カップル 赤ちゃん抱き向かった先

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宮坂知樹、角詠之
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 ある秋の夜。産婦人科診療所の玄関前で、バスタオルにくるまれた生後間もない赤ちゃんが泣き声を上げていた。置いていったのは、母であり父である未婚の専門学校生カップルだった。出産から置き去りまでの背景にあったものは。そして、事態はどのように発覚したのか。

 起訴状によると、福岡県内在住の男(22)と女(22)は2018年10月下旬、県内の産婦人科診療所の玄関前に、0歳の男児を置き去りにしたとして、保護責任者遺棄の罪に問われた。男児は前日に生まれたばかりだった。

 19年12月11日に福岡地裁であった初公判で、2人とも起訴内容を認めた。

 2人は理学療法士を目指し、福岡市の同じ専門学校で学んでいた。17年末に交際を開始。18年4月、妊娠2カ月とわかった。

 「子どもを育てる用意はできていなかった」という男は不安を抱き、親に相談することを考えた。「これから一緒に頑張っていこう」と言われると思っており、育てていくことについても「母や妹がいれば大丈夫」と感じていた。

 女にも、うれしさはあった。だが、学業に専念するように釘を刺され、「妊娠したら縁を切る」とまで言われていた母親に、相談などできるはずもなかった。男も「学校を辞めなきゃいけなくなる」と、親に相談しないことに同調した。

 一方、男は女に産婦人科の受…

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きょうも傍聴席にいます。

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