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 川崎市と埼玉県熊谷市を結ぶ石炭運搬列車が3月、運転を終えることになった。「石炭列車」は明治時代から産炭地を中心に全国を走り、日本の産業を支えてきたが、神奈川県などで運行を担うJR貨物によると、運転終了で国内では姿を消すことになるという。

 熊谷市内の運行を担う秩父鉄道が14日、発表した。廃止される石炭列車は1980年に運行を始め、川崎港に陸揚げした輸入炭を、熊谷市三ケ尻の太平洋セメント熊谷工場に運搬。JR鶴見線、武蔵野線、高崎線などと秩父鉄道三ケ尻線を経由する。JR扇町駅(川崎市川崎区)から熊谷貨物ターミナル駅(熊谷市)まではJR貨物が運行。1両35トン積みの貨車20両編成で、最近は週に3便ほど走っている。

 石炭列車は明治時代、北海道内陸部の炭鉱と港を結ぶ路線が敷設され、高度成長期も国内の産炭地を中心に全国を走った。だが、エネルギー革命により国内の石炭産業が衰退すると、次々に姿を消した。昨年3月には、北海道釧路市の炭鉱から石炭を運んだ「太平洋石炭販売輸送臨港線」が運休していた。

 太平洋セメントの前身の旧秩父セメント熊谷工場では燃料に重油を用いていたが、2度のオイルショックを機に、石炭を使うようになった。太平洋セメントによると、今後はトラック輸送に切り替える。「輸送コストなどを総合的に考えた」(広報)という。(大平要)