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 三重大や理化学研究所などの研究チームは、原因不明の疲労やだるさが半年以上続く「慢性疲労症候群」の患者を見分けられる血液中の目印(マーカー)を見つけた、と発表した。これまで、うつ病や「亜急性疲労」と見分けるのが難しかったが、早期の発見、治療につながる可能性がある。

 慢性疲労症候群は、突然重い疲労や微熱などが出て、半年以上症状が続く。国内の患者は約30万人と推計され、周囲に「怠けている」と誤解されることもある。世界各地で研究が進むが、詳しい発症の仕組みはわかっていない。

 研究チームは、血液中を循環する直径数十~数百ナノメートル(ナノは10億分の1)の「ナノ粒子」に着目。患者99人と健康な53人を調べたところ、患者にこのナノ粒子が多いことを突き止めた。うつ病や亜急性疲労の患者と比べると、慢性疲労症候群の患者のナノ粒子の中に特徴的なたんぱく質が多くあることもわかった。

 このナノ粒子は、細胞の間の情報伝達役を果たしていることがわかっている。三重大の江口暁子特任講師(消化器内科)は「目印となる粒子の出どころがわかれば、発症の仕組みの解明につながる可能性もある」と話す。

 研究結果は11月下旬、国際専門誌「ブレーン・ビヘイビアー・アンド・イミュニティー」(電子版)に掲載された。この論文はこのサイト(https://doi.org/10.1016/j.bbi.2019.11.015別ウインドウで開きます)で読める。(小川裕介)