島根)100歳、反戦訴え講演30回 吉賀の野村さん
水田道雄
【動画】シベリア抑留体験講演会 100歳で30回の目標達成=水田道雄撮影
第2次大戦後のシベリア抑留体験を、「100歳までに30回講演する」ことを目標にしてきた吉賀町沢田の農業野村定男さんが今月1日に100歳を迎え、20日に目標だった30回目の講演を広島県廿日市市で行った。会場を訪れた市民ら約50人を前に野村さんは「戦争は絶対にしてはいけない」と力強く訴えた。
野村さんは、会場となった廿日市市の大野西市民センターに到着すると、しっかりした足取りで階段を2階まで上っていった。1941年、満州開拓団の一員として旧満州(中国東北部)に渡り、終戦まであと3カ月に迫った45年5月に軍隊に召集された。終戦後、3年間シベリアに抑留され、48年に日本に戻った。
講演では、前半はメモや原稿などを見ずに、会場を見つめながら、戦争の歴史を振り返った。3年間の抑留生活の中で一番つらかったのは「食料が少なかったこと」とし、「凍っている死体を何体もトラックに積み込む様子を目撃した」などと、壮絶な体験を語った。「こんなところで死んでたまるか、と自分に言い聞かせ、ようやく日本に帰ることができた。みなさんがこの歴史を知って後世に語り継いでください」と呼びかけ、約50分間の話を終えた。
講演を聴いた廿日市市の福田…