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 中国中部の湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、国家衛生健康委員会は22日午前に会見を開き感染者が440人、死者が9人に増えたと発表した。感染は13の省や直轄市に拡大しており、1月25日の春節(旧正月)前に帰省ピークを迎えることから、空港や鉄道駅の体温検査など対策をさらに強化するとしている。

 新型肺炎について、中国政府が会見を開いたのは初めて。同委員会の李斌副主任は、ここ数日で感染患者数が急増している理由を「診断方法の改善などが関係している」としつつ、「ウイルスは変異する可能性があり、さらに拡大するリスクがある。春節でもあり警戒を高めてほしい」と話した。

 英国の大学などが「実際の感染数は数千人に達している」としている点について、同委員会は「一つの数学モデルであり、我々が把握している状況とは違う」と否定。情報を隠しているとの指摘も「情報公開を重視しており、日々更新している」と反論した。

 一方、米疾病対策センター(CDC)は21日、中国・武漢から帰国した西海岸ワシントン州シアトル近郊に住む30代男性の感染が確認されたと発表した。米国での感染確認は初めて。日本、韓国、タイ、台湾でも感染が確認されている。

 CDCによると、男性は武漢市を旅行後、15日にシアトルの空港に到着した。その際は症状がなかったが、19日に異変を感じ、医師の診察を受けた。現在は地元病院に入院しているが、状態は良好だという。医師や看護師など医療従事者のほか、他の人に感染の恐れはないとしている。

 新型肺炎の流行を受けて米国では、先週からニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの計3空港で検疫を強化。今週中にシカゴ、アトランタの2空港でも同様の措置をとり、武漢から米国に入国する旅客はこの5カ所の空港を使うようにするとしている。(北京=冨名腰隆、ワシントン=香取啓介)

台湾、中国・武漢との団体客往来を停止

 中国中部の湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は22日、緊急記者会見を開き、武漢からの団体旅行客の受け入れや、台湾から同市への団体客の送り出しを停止すると発表した。台湾から武漢への直行便は当面は運航を続ける。

 台湾では21日、武漢から戻ってきた台湾人女性のウイルス感染が確認されたばかり。今後、中国側でさらに感染が広がるなどした場合、団体客の規制地域を広げる可能性があるという。

 また、蔡氏は中国側に感染の拡大状況など情報を公開するよう呼びかけた。

 中国側の政治的圧力で、台湾が世界保健機関(WHO)に参加できずにいる問題については、WHOや各国に「政治的な理由で台湾を排除するべきではない。台湾は世界的な防疫の第一線だ」と訴えた。(北京=西本秀)

「北朝鮮、観光客に対し国境一時封鎖」中国の旅行社

 中国中部の湖北省武漢市を中心に集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、北朝鮮の労働新聞(電子版)は22日、感染の状況や中国政府の防止対策などを詳しく報じた。朝鮮中央テレビも、北朝鮮当局が世界保健機関(WHO)と協力し、感染を防ぐ活動を全国的に行っていると伝えた。

 北朝鮮を専門に扱う中国の旅行社は、北朝鮮側の旅行社から「新型肺炎の警戒のため22日から全ての外国人観光客に対し、国境を一時的に閉鎖する」と伝えられたとホームページで明らかにした。(ソウル=神谷毅)