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 「野党がこんな状況だから政権が続く。安倍晋三首相は本当にラッキーだ」。立憲民主党と国民民主党の合流協議の打ち切りを横目に、ある自民党幹部はそうほくそ笑んだ。

 統一会派を結成した臨時国会で、野党は政権の不祥事の追及で成果をあげた。首相の「桜を見る会」をめぐる様々な疑惑をみても、長期政権のおごりやひずみは覆い隠しようもない。立憲民主党の枝野幸男代表が呼びかけた野党勢力の再結集に、政治に緊張感をもたらすきっかけを期待した有権者もいたはずだ。その目に今回の「破談」はどう映ったか。両党の議員は深刻に受け止めるべきだ。

 立憲側は通常国会召集前の合流を求め、国民側は結論を出せなかった。国民の玉木雄一郎代表は「みんなの納得」が必要と繰り返したが、党内の反対派を必死に説得するなどした様子はうかがえない。有権者の期待より、「身内」の損得勘定や保身を優先する論理はなかったか。

 政権選択の機会は、そう遠くない時期に訪れる。現状をよしとしない民意の受け皿をつくるには、両党が通常国会で連携を深めて信頼関係を醸成し、有権者の期待を勝ち取るほかない。両党に所属する一人ひとりの議員の自覚が求められる。(野党取材キャップ・村松真次)