拡大する写真・図版出撃する特攻隊員に酒を注ぐフィリピン方面航空部隊の指揮官、富永恭次中将。この後、米軍がルソン島に上陸を始めると台湾に逃亡した=1944年11月、フィリピンの陸軍基地

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 特攻と聞いて、何を感じるだろうか。徹底した取材に基づいて、生身の人間としての特攻隊員や家族の絶望、軍指導者らの無能を書ききった大作『陸軍特別攻撃隊』の全編からあふれてくるのは、その非道への怒りだ。だがいま、彼らが飛び立った鹿児島・知覧の地は、訪れる人が怒りを覚えるのではなく、自らを励ます「活入れ」の場になっているという。

ベストセラーを機に復刊

 太平洋戦争で軽爆撃機を単身操縦して特攻に9回出撃し、9回とも生還した佐々木友次陸軍伍長。生前の同氏にインタビューして、その過酷な体験と不屈の意志を描いた新書『不死身の特攻兵』がベストセラーになったのは2018年のことだ。これまでに22万部を売り上げた。

 「21歳の若者が40、50代の上官の死ねという命令にあらがって生き延びた。そこに読者が共感してくれたんじゃないかな」。著者の作家・演出家、鴻上尚史さん(61)はそう分析する。「社会の同調圧力に苦しんでいる若い人たちも、自分たちのこととして読んでくれたようです」

 鴻上さんが執筆の参考にし、新書のなかで「絶版にしておくのは、とても惜しい本」と紹介したのが1974~75年に上下巻で刊行された『陸軍特別攻撃隊』だ。自著が少しでも話題になって復刊してほしいと書いた願いのとおり、昨年にかけて全3巻の文庫本としてよみがえった。

■絶望、糾弾、断罪……貫…

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