[PR]

 四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた指定暴力団・工藤会総裁の野村悟(73)と会長の田上不美夫(63)の両被告の第19回公判が22日、福岡地裁であった。1998年の元漁協組合長射殺事件をめぐり、実行役の組長が事件直前に「『オヤジ(=野村被告)の用事で出て行く』と話していた」という工藤会系の元組長の証言映像・音声が流された。

 映像・音声は2017年5月、元組長が別の元組幹部の公判の証人として出廷した際の証言で、組長が日頃から「オヤジのためなら命を捨てられる」と話していたとも語っていた。元組長は事件直前、実行役として有罪判決を受けた組長と喫茶店で面会したという。この日の「ビデオリンク方式」の証人尋問で、元組長は検察官から「当時の証言で訂正や付け加えたいことは」と問われ「ありません」と答え、組長が「『野村悟』と胸に入れた入れ墨を見せてくれた」とも話した。

 弁護側は、元組長の検察官調書は「用事を済まして戻ってくる」との文言で、「オヤジの」という言葉はなかったと指摘。元組長は「うーん、はい」と述べるにとどまった。元組長が過去の公判で「野村会長(当時)に不満も憎しみもある」と証言した点を追及すると、元組長は「覚えていない。当時は(組を)出されたので寂しいというのはあった」と答えた。