拡大する写真・図版早稲田大准教授のドミニク・チェンさん=望月孝氏撮影

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 ゆっくり一息つこうと思っても、チャットの返信やLINEのメッセージの通知音が気になり、インターネット上では他人より優位に立とうとする「マウンティング」や揚げ足取りの言説があふれています。こうした現代のコミュニケーションのストレスは、経済原理を優先した情報技術の設計そのものにも要因があり、逆に、より良い関係性を生むように技術設計することも可能――。情報技術とウェルビーイング(心理的な充足)の関係を研究する早稲田大学のドミニク・チェン准教授は主張します。どういうことでしょうか。

 ――インターネットの登場によって、私たちのコミュニケーションは、どのように変わったのでしょうか。

 「インターネット関連企業も多く集まるシリコンバレーの実業家たちが標榜(ひょうぼう)してきたのは、『摩擦のないコミュニケーション』です。より速く、正確にという、機械的メタファー(暗喩)を推し進める単純な思考ですよね」

 「ツイッターもチャットも、本来、放置しようと思えばできるはずです。でも、チャットであれば、既読であることが可視化されることで『スルーできない』と感じるように、開発者によってコミュニケーションの強制力が高められてしまいました。なぜなら、アプリの使用時間を増やし、ユーザーのエンゲージメント(没頭の度合い)を高めることができれば、広告収入は上がり、課金も増えるから。今日のネットでは、あらゆる局面において、全て、この経済原理が働いているわけです」

 「インターネット・バブルの起きた1990年代、これからは人々の関心(アテンション)が資本になるという『アテンション・エコノミー』の概念が説かれましたが、ふたを開けてみると、ほぼその通りになりました」

 ――そうした変化は、私たちの考え方や行動にも影響を及ぼしているのでしょうか?

いかに速く、強く、刺激を与えるかーー。「おっ」と思わせてクリックをさせる経済原理が招く問題に、ドミニク・チェンさんは「共話」の重要性を語ります。

 「アテンション・エコノミーに…

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