原点回帰した東京五輪公式服 配色は1964年の逆に

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伊木緑
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 2020年東京五輪パラリンピックの日本選手団が開会式の入場行進で着る公式服は、白のジャケットに赤のズボンで、64年東京大会と配色が上下で逆になった。

 真っ赤なブレザーを身につけた日本選手団の入場行進は、64年東京五輪を象徴する場面の一つだ。

 デザインしたのはアイビーファッションを日本に広めたVAN設立者の石津謙介さん(故人)というのが通説だったが、実際に手がけたのは、東京・神田で紳士服店を営んでいた望月靖之さん(故人)。望月さんのめい、世紀子さん(88)によると、望月さんは「わかる人にはわかっているから」と表だって主張することはなかった。

 世紀子さんも五輪の公式服に携わった。24歳から婦人服店を経営。叔父の望月さんに頼まれ、56年メルボルン大会から女子の公式服を縫うようになった。東京大会からはバレーボールが採用されたことで女子選手が急増。近隣の婦人服店と手分けした。代表が決まるとすぐに採寸や仮縫いに駆けつけた。世紀子さんの店では、縫い子6人で25着ほどを縫ったという。

 東京五輪の開会式は知人がチケットを取ってくれ、一家で見に行った。観客席から見る選手団は豆粒のようで、自分が縫った服を着る選手は見分けられなかった。ただ、選手の身長がまちまちでもスカートの裾と地面の間の長さが同じになるように仕立てたため、「狙い通りきれいにそろって見えてほっとした」。

 世紀子さんによると、76年…

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