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 2020年東京五輪・パラリンピックの日本選手団が開会式の入場行進で着る公式服は、白のジャケットに赤のズボンで、64年東京大会と配色が上下で逆になった。

 真っ赤なブレザーを身につけた日本選手団の入場行進は、64年東京五輪を象徴する場面の一つだ。

拡大する写真・図版開会式用の公式服を着用する(左から)馬場馬術の黒木茜選手、パラトライアスロンの土田和歌子選手、競泳の瀬戸大也選手、パラ陸上の前川楓選手、重量挙げの三宅宏実選手、パラアーチェリーの上山友裕選手=2020年1月23日午前11時41分、東京都千代田区、仙波理撮影

拡大する写真・図版1964年東京五輪で入場行進する日本選手団

 デザインしたのはアイビーファッションを日本に広めたVAN設立者の石津謙介さん(故人)というのが通説だったが、実際に手がけたのは、東京・神田で紳士服店を営んでいた望月靖之さん(故人)。望月さんのめい、世紀子さん(88)によると、望月さんは「わかる人にはわかっているから」と表だって主張することはなかった。

 世紀子さんも五輪の公式服に携わった。24歳から婦人服店を経営。叔父の望月さんに頼まれ、56年メルボルン大会から女子の公式服を縫うようになった。東京大会からはバレーボールが採用されたことで女子選手が急増。近隣の婦人服店と手分けした。代表が決まるとすぐに採寸や仮縫いに駆けつけた。世紀子さんの店では、縫い子6人で25着ほどを縫ったという。

 東京五輪の開会式は知人がチケットを取ってくれ、一家で見に行った。観客席から見る選手団は豆粒のようで、自分が縫った服を着る選手は見分けられなかった。ただ、選手の身長がまちまちでもスカートの裾と地面の間の長さが同じになるように仕立てたため、「狙い通りきれいにそろって見えてほっとした」。

 世紀子さんによると、76年モ…

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