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 遺伝情報があつまった「ゲノム」を解析することで、多くのことがわかる時代がやってきました。がんが遺伝性のものかどうかもその一つです。

 特定の遺伝子に変異があり、ない人の何倍もがんになりやすい。がんになっていない乳房や卵巣をとる手術を受けると、がんになるリスクや死亡率が下がる――。科学的根拠に基づく数字が示されとき、あなたならどうしますか?

 がんにはなりたくない。一方で、健康な体にメスを入れて乳房や卵巣をとることをためらう。技術の進化は、かつて知り得なかった情報を私たちに突きつけ、難しい判断を迫ります。手術をしてもしなくても、遺伝性の場合、「がんになりやすい」という体質は変わらず、がんとの関わりは生涯続きます。子や孫に遺伝している可能性もあり、「ゲノム解析はパンドラの箱を開けた」とも言われます。

 2020年春には、将来のがんリスクを下げる、乳房や卵管・卵巣の「予防切除」の一部に公的医療保険が使えるようになり、切除を選ぶ人は増えると見込まれます。最適な治療を選ぶための検査によって、遺伝子の変異を知る人が増えていて今後、さらに増えていきそうです。

 シリーズ「私、がんになるの? ゲノムが迫る選択」では、予防切除という選択が知られていなかった時代を手探りで進んできた女性の思いや、がんとゲノムを取り巻く現状を紹介します。

 ゲノム情報とどう向き合っていけばいいのか。考えてみませんか。

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【取材】大岩ゆり、月舘彩子、香取啓介、辻外記子

【写真・映像】岩本哲生、池田良、遠藤啓生、高橋雄大、長島一浩、加藤丈朗

【ディレクター】池上桃子、小坪遊、森本浩一郎

【デザイン・制作】小倉誼之、神田仁志(朝日新聞メディアプロダクション)