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 奈良の年の瀬は底冷えが厳しい。ならまちの駐車場で昨年12月、元興寺の辻村泰道(たいどう)副住職(36)が温かな食べ物を観光客らに振る舞っていた。おでん、焼きそば、チヂミ。売り上げと、寄せられた募金をユニセフに寄付する年末の恒例行事だ。約50年前から元興寺が中心になって催している。

 「地域の人たちと助け合う行事を継承していくのも自分の役割だと思います」

 南都七大寺に数えられる元興寺の歴史は古い。日本で最初の本格寺院とされる飛鳥寺(明日香村)が平城遷都後に奈良に移り、元興寺と名前を変えた。広大な敷地を誇り、南大門、金堂、講堂のほか五重塔もあった。「元興寺の旧境内地がならまち」とも言われる。

 この古刹(こさつ)に辻村さんが入ったのは2013年。奈良で生まれたわけではない。寺で育ったわけでもない。佐賀出身の元銀行員だ。元興寺の住職の子どもは4姉妹で、次女(35)と結婚したことがきっかけになった。ただ、僧侶になるまで不安と期待に揺れた。

    ◇

 野球少年だった。佐賀の地元の高校時代、夏の地方大会でベスト8に進んだ。明治大学に入り、三井住友銀行への就職が決まった。妻と知り合ったのは卒業旅行。チェコやハンガリーを巡るツアーに、同じく卒業旅行で来ていた。帰国後、交際が始まった。

 銀行に入った辻村さんの勤務先…

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