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 新型コロナウイルスによる肺炎が集団発生した中国湖北省の武漢市。市当局は23日から公共交通の遮断に乗り出し、市外へ向かう鉄道や航空便の路線が閉鎖されている。市内はどんな様子なのか。電話に応じた地元住民らは「街はひっそりとしている」と口にした。

 市中心部にある7階建ての大型ショッピングモールは23日から、当局の指示でスーパーの日用品や加工食品などを売る地下1階の一角を除いて営業を停止した。従業員の一人は「昨日までは食料などを買いだめしたい客が殺到していたが、今日はほとんどいない」と話した。

 中国では25日の旧正月「春節」を控え、通常なら帰省の人波や年越しの買い出し客などでにぎわう時期だ。だが、地元住民によると、当局側から「感染拡大を防ぐためになるべく外に出ないように」との呼びかけがなされており、市内はひっそりとしているという。

 地元メディアは、スーパーの入り口での体温検査や鉄道駅周辺の大規模な消毒作業、ガソリンスタンドにできた車の行列の様子などを伝えている。一方で「物は十分に足りている」とも呼びかけている。

 市内のホテルに勤める40代男性は航空路線が止まったため、24日に予定していた妻の故郷への帰省ができなくなった。「感染が怖いので家族は外出させず、自分だけが必要な物を買いに出ている。街中に人影はほとんどなく、特に子ども連れで歩いている人はまったく見かけない」と話した。

 父親が新型肺炎に感染して入院したという30代の女性は「不安で仕方がない」と嘆いた。これまで幼い子どもも含めて家族が一緒に外出することが多かったといい、「外に出ないようにしているが、子どもはすでに感染してしまっているのではないかと心配で毎日、泣きながら過ごしている」と話した。(瀋陽=平井良和)