拡大する写真・図版自衛隊体育学校。右は選手の寮などが入る庁隊舎、左はレスリング場などが入る体育館

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 自衛隊体育学校(体校)は1964年の前回東京大会以降、夏の五輪は不参加のモスクワ大会以外、すべての五輪に選手を輩出してきた。その数143人。獲得したメダルは計20個(金8、銀4、銅8)。輝かしい成績を収めてきた体校ってどんなところ?(加藤真太郎)

実績で群を抜くレスリング

 体校は陸上自衛隊朝霞駐屯地の西側の一角にある。正式な所在地は駐屯地と同じ「東京都練馬区」だが、地図上では埼玉県朝霞市域。冬季競技のバイアスロンとクロスカントリースキーの拠点「冬季特別体育教育室」は、札幌市の陸自真駒内駐屯地内にある。

拡大する写真・図版自衛隊体育学校全体の航空写真=自衛隊体育学校提供

 体校は1961年、自衛隊における体育・格闘指導者の育成などを目的に、陸・海・空の各自衛隊の共同機関として創設された。前回の東京五輪を2年後に控えた翌62年に、国際級選手を育成する「特別体育課程教育」がスタートした。

 二つの「教育課」があり、「第1教育課」は自衛隊の体育指導者や格闘指導官などの育成を担う。

 アスリートの育成は「第2教育課」だ。レスリング、ボクシング、柔道、射撃(ピストル・ライフル)、重量挙げ、アーチェリー、近代5種、陸上(競歩、長距離)、水泳、カヌー(スプリント)、女子7人制ラグビーの計11の競技班がある。専用練習場も完備し、〈完璧なサポート体制を誇る最高のトレーニング環境〉とうたう。

拡大する写真・図版ボクシング班は男女13人の選手が所属している=自衛隊体育学校ボクシング場

 正面玄関に「体育学校」と表記された庁隊舎が本部。地上8階建てで選手寮も入る。総合体育館、球技体育館、400メートル陸上競技場、アーチェリー練習場、馬術訓練場、ラグビーサッカー場、屋内水泳訓練場があり、国際プールも昨年末にできた。

拡大する写真・図版本部や選手の寮などが入る自衛隊体育学校の庁隊舎。多くの競技の選手が行き交う

 体校の射場は近くの朝霞訓練場にある。前回東京五輪の施設を譲り受け、長年使ってきたが、国際ルールに準じた射場にリニューアル。今夏の五輪会場は別に同訓練場内に新設される。

 体校生専用の食堂もある。「減量や増量を迫られる選手も多く、バイキング方式で選手が食べる量を自分で決められます」と広報班。医官や管理栄養士らが個々にサポートをする。

 実績で群を抜くのがレスリング班だ。過去13回の五輪で金5個を含む計12個のメダルを獲得。現在、男子35人、女子6人の計41選手が在籍する。レスリング場は総合体育館1階で、マットは4面あり、国内屈指の環境だ。コーチ陣は、女子がロンドン金の小原日登美さん(女子48キロ級)、男子は米満達弘さん(男子フリー66キロ級)、銅の湯元進一さん(同55キロ級)ら歴代のメダリストが名を連ねる。

自衛隊体育学校で再起、金メダルに 装甲車に驚いた選手
小原日登美さんの詳細なインタビュー記事はこちら。

拡大する写真・図版ロンドン五輪で獲得した金メダルを手にする小原日登美さん=2019年12月17日、自衛隊体育学校レスリング場

 このほか、前回東京、メキシコ大会で重量挙げ連続金メダルの三宅義信さん、前回東京大会マラソン銅メダリストの円谷幸吉さんも体校所属だった。今夏の東京大会にはこれまでに、カヌー(カヤックフォア)の藤嶋大規(31)、松下桃太郎(31)、近代5種の岩元勝平(30)、射撃(ライフル)の松本崇志(たかゆき)(36)の4選手が内定をつかんだ。

拡大する写真・図版1964年東京五輪の重量挙げフェザー級で優勝した三宅義信さん

 また、毎年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にも体校チームとしてたびたび出場している。

拡大する写真・図版1964年東京五輪男子マラソンで力走する円谷幸吉さん(中央)

「エリートコース」と「たたき上げ」

 自衛官アスリートである体校生…

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