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【まとめて読む】患者を生きる・職場で「バセドウ病」

 横浜市の大宅楓(おおや・かえで)さん(25)は、プロの陸上選手。大東建託パートナーズの社員として、勤務と練習を両立しながら、3000メートル障害で東京五輪出場を目指しています。社会人3年目になった2018年春、突然の不調に見舞われました。息切れや多量の汗、体重の急減……。これらの症状は、思いもしなかった病気によるものでした。

五輪を目指す中、異変が

 自分の体が自分のものでなくなった感じ――。大宅さんが不調に見舞われたのは2018年3月、社会人3年目になる春だった。

 最初は練習中に異変を感じた。走ると息が苦しい。たくさん汗をかくようになった。普段どおりの食事量なのに、体重はどんどん落ちた。

 陸上を始めたのは大阪の高校時代。中距離の800メートルが専門で、日本体育大へ進み、4年生の日本選手権では4位になった。

 それでも卒業後にプロになるのは「夢のような話」だった。大学時代は教員免許を取り、企業への就職活動もした。だが、現在のコーチである上野敬裕(うえの・たかひろ)さん(47)から声をかけられた。「3000メートル障害でオリンピックを目指してみないか」

 大学2年の夏。東京五輪の開催が決まった。日本にオリンピックが来る。でも800メートルでは、世界の舞台に歯が立たない。陸上を続けていても無理だろう。何らかの形で関わりたいけれど、自分が出られない試合を見に行ってもしょうがない。そう思っていた。

 上野さんは20年以上にわたり、女子陸上選手のコーチをつとめ、世界選手権に出場した選手も育てた。別の選手の練習で日体大のグラウンドに出入りしていたとき、大宅さんの走る姿に「抜群の才能だと思った」。優れたバランス感覚や運動能力に素質を見いだした。迷いがあった大宅さんだったが、上野さんの後押しで、卒業後も陸上を続ける決心をした。

拡大する写真・図版大学4年のころ、関東学生陸上競技対校選手権に出場した大宅楓さん(中央)(2015年、横浜市の日産スタジアム、本人提供)

 16年4月、大東建託パートナーズにアスリート採用として入社した。週2日ほど出勤し、人事部で仕事する日以外は、日体大のグラウンドで練習をこなす。800メートルで身につけたスピードを生かして3000メートル障害に転向し、東京五輪出場を目指す。「楓プロジェクト」と名付け、上野さんと二人三脚で練習を重ねた。

 18年春のシーズンインは、いよいよ3000メートル障害で公式戦に挑戦できる力がついてきたと実感していたころだった。そこに襲った突然の不調。体が思うように動かない。練習だけでなく試合も思うように走れない。「私、どうしちゃったの?」

体、どうなっていくの?

 練習中、設定タイムを守れない…

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