[PR]

 がん治療による脱毛や皮膚が黒くなるといった「外見の変化」に戸惑う男性向けのガイドブックを、国立がん研究センター(東京都中央区)が作った。男性向けは初という。センターのサイトで24日、公表する。

 抗がん剤や放射線治療の副作用によって、髪や眉毛、爪などに変化が現れ、苦痛を感じる患者は多い。同センター中央病院は2013年にアピアランス支援センターを設け、治療前と同じように暮らせるよう、相談に応じてきた。

 女性向けの情報は多く出されているが、男性もケアを必要としていた。中央病院が823人の男性がん患者に「外見は仕事の評価に影響を与えると思うか」と聞くと、6割が、そう思うと答えた。

 見た目は、人間関係やライフスタイルにも影響をおよぼす。ガイドブックは「はじめて毛が抜けたとき、大声で泣いた。(略)もう人に会えない。(略)それが、スタート地点だった」「症状は治療によって、時期によって違う。けれど、事前に知っていれば、どんな症状でも、動揺は最小限に防げる」など患者の声を多く掲載。保湿やまゆげケアなどの具体的方法なども紹介する。

 22日にあった会見に参加した佐藤慎之介さん(22)は2018年、リンパ腫と診断された。放射線治療をすると髪が抜けると聞き、当初は「治療しない」と抵抗したが、支援センターに相談して治療をすると決めた。髪は抜け、その期間はウィッグをつけて過ごしたが「周りからは何も指摘されなかった」と振り返った。「ウィッグしている自分も、ウィッグしてない自分も、自分でしょ」とのコメントをガイドブックに寄せた。

 野澤桂子・支援センター長は「1人で悩まず、その人らしい無限の方法があることを知ってほしい」と話す。ガイドブック「NO HOW TO」は、A5判68ページ。同センターのウェブサイト(https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/appearance/index.html別ウインドウで開きます)で見ることができる。全国のがん拠点病院にも配布する。2月中旬には、より具体的に眉の描き方やウィッグの使用方法を解説する別冊も公開する予定という。(松浦祐子)