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医の手帳・小児がん(3)

 神経芽腫は固形腫瘍(しゅよう)の中で脳腫瘍に次いで多い小児がんで、0~4歳で診断されることがほとんどです。交感神経節や副腎髄質などから発生し、約65%が腹部でみられ、その半数が副腎髄質で、頸部(けいぶ)、胸部などからも発生します。

 初期はほとんどが無症状です。進行するとおなかが膨れ、硬いしこりが触れる場合もあります。1歳半以上の患者さんは骨や骨髄に転移のある進行例が多く、発熱、貧血、不機嫌、歩かなくなる、まぶたの腫れなど、転移した場所によって様々な症状がみられます。

 神経芽腫はカテコラミンという物質を作るため、診断には尿中のカテコラミンの一種であるバニリルマンデル酸、ホモバニリン酸の測定が有用です。発生部位の確認や病期分類のためにCTとMRI検査、遠隔転移巣の診断のために画像検査のMIBGシンチ、骨転移の確認に骨シンチ、骨髄転移の有無を調べるため骨髄検査をします。病理診断と分子生物学的診断のために、組織生検もします。

 治療はリスク分類(治りやすさ)によって決まります。国際神経芽腫リスク分類では、①病期、②診断時年齢、③病理分類、④MYCN遺伝子の増幅、⑤染色体異常、⑥核DNA量(腫瘍細胞の染色体数)の組み合わせにより、超低、低、中間、高リスクに分けられます。低リスク群では無治療経過観察、高リスク群では化学療法、手術、放射線治療、自家造血細胞移植を併用した大量化学療法などを組み合わせた強力な治療を行うなど、患者さんごとに様々な治療が行われています。

 治療終了後は再発だけでなく、晩期合併症の有無についても調べることが大切です。晩期合併症は、治療終了後しばらく経ってから治療の影響によって起こる症状です。神経芽腫は、比較的低年齢の患者さんが多く、高リスクの患者さんは放射線治療や大量化学療法をするため、晩期合併症には特に注意が必要と考えられます。(新潟大学医歯学総合病院 今村勝講師〈小児科〉)