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 中国湖北省武漢市などで新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、中国政府によると、中国国内の感染者は24日までに870人以上、死者は26人に増えた。日本政府は同日、湖北省の「感染症危険情報」を2番目に強い「レベル3」とし、渡航中止を勧告した。感染と影響の拡大はやむ気配がないが、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は23日夜、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送った。

 23日に武漢市で主要な交通機関が止まり市民の移動が大幅に制限されたのに続き、24日までに黄岡市(人口約750万人)や仙桃市(同約160万人)など周辺の少なくとも14市で厳しい交通制限が敷かれた。

 封鎖状態になった地域の医療体制の不足が指摘されるなか、武漢市は24日、最大1千人収容の新病院の建設を急きょ始めた。

 また、河北省と黒竜江省では24日、湖北省以外で初となる死者が確認された。感染者が見つかった地域は29省市に達し、ほぼ中国全土に広がった。

 日本外務省が湖北省に出した「渡航中止勧告」に強制力はないが、いかなる目的でも対象地域への渡航をやめるよう促すものだ。レベル3は、退避を呼びかけるレベル4に次いで強い。

 WHOが「緊急事態」宣言を見送った理由について、テドロス・アダノム事務局長は、中国国外に出た患者から別の人に感染するケースが確認されていないことなどを挙げ、「中国は非常事態だが、世界的な健康上の非常事態にはなっていない」と述べた。一方で、「WHOが、状況が深刻だと考えていないわけではない」とも強調。国境を越えた感染が拡大した場合など「必要になれば、数日後にも緊急会合を再び開く」としている。(北京=冨名腰隆、ローマ=河原田慎一)

日本以外でも広がる新型肺炎

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染は、日本以外でも広がっている。

 韓国では24日、武漢市から22日に帰国した韓国人男性(55)の感染が新たに確認された。韓国では武漢市から19日に到着した中国人女性(35)に続き、2例目。シンガポールでは23日に感染が発表された中国人男性(66)に続き、新たに2人が新型コロナウイルスによる肺炎を発症した。同国保健省によると、2人は中国人男性(37)と、中国人女性(53)で、いずれもシンガポールには旅行で訪れていた。

 台湾の衛生福利部も24日、新たに2人の感染を確認したと発表した。台湾での感染者の確認は計3人になった。(ソウル=鈴木拓也、シンガポール=守真弓、台北=西本秀)

新型肺炎の感染者数と広がり

中国本土 876人(死亡26人)

※中国政府などによる。日本時間24日午後3時現在

感染を確認した国・地域

日本、タイ、米国、韓国、台湾、マカオ、香港、シンガポール、ベトナム、ネパール

※WHOなどによる