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 ソフトバンク(東京都港区)の営業秘密の情報を不正に入手したとして、警視庁は25日、元社員の荒木豊容疑者(48)=千葉県浦安市=を不正競争防止法違反の疑いで逮捕し、発表した。荒木容疑者は調べに対し、情報は在日ロシア通商代表部の外交官に渡したとし、「小遣い稼ぎだった」と供述。ほかにも複数回同様の行為をし、現金を受け取ったこともあると説明しているという。

 通商代表部は貿易関連業務を担うロシア大使館の組織。警視庁は同日、この外交官と、同部に所属していた別の職員1人の出頭を警察庁などを通じて要請しており、2人が情報機関員で、ロシアによるスパイ活動とみて解明を進める。

 公安部によると、逮捕容疑は昨年2月18日、当時勤めていたソフトバンクのサーバーにアクセスし、営業秘密にあたる通信関連の情報を記録媒体2点に記録し、不正に入手したというもの。記録媒体を受け取ったとされる外交官が飲食接待を繰り返し、荒木容疑者に持ち出しをそそのかしていた疑いがあるといい、3年前に帰国した別の職員も関与していたと警視庁はみている。昨年12月に同社などに家宅捜索が入り、荒木容疑者は懲戒解雇された。

 逮捕を受け、ソフトバンクもホームページで公表。荒木容疑者が持ち出したとされる情報は作業文書など機密性が低く、機密性の高い情報にアクセスする権限もなかったとしている。

 ロシアによるスパイ事件の摘発はソ連崩壊以降9件あり、最近では2015年にあった。