群馬)八ツ場ダム 市民団体が集会「完成後も問題注視」
丹野宗丈
八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設見直しを求めてきた市民団体「八ツ場あしたの会」が26日、高崎市内で集会を開いた。ダムは3月に完成予定だが、指摘してきた課題は解決されていないと主張。国に積極的な情報公開を求めていくことなどを訴えた。
集会は、水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之(てるゆき)さん(76)や地質学の専門家で千葉大名誉教授の伊藤谷生さん(74)らが講師として登壇。国土交通省などの資料を試算・分析したという結果を、集まった聴衆約120人に発表した。
嶋津さんは、昨年10月に台風19号が各地に被害をもたらした際、インターネット上などで「八ツ場ダムが治水効果を発揮した」などと評価されたことを疑問視。試算では、八ツ場ダムは利根川中流域の水位を17センチ下げる効果があったという。ただ、この程度なら八ツ場ダムがなくても堤防決壊による氾濫(はんらん)はなかったと説明。下流域ではさらにダムの効果は小さくなるといい、「(八ツ場ができても)治水効果は小さいと推測できる」と話した。
ダムの完成後に想定される課…