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 奥日光の日光山湯元温泉寺で26日、一足早い節分の追儺(ついな)式があった。毎年1月最後の日曜日に開かれている名物行事。地域で子どもの数が少なくなる中、春に上京する作新学院高3年の堀口明香(あすか)さん(18)も鬼を追い払う大役に。「ありがとう」と叫びながら豆をまくと、幼なじみの後輩たちから「元気でねー」という声が何度もこだました。

 豆まきに立つのは本来、年男と年女。しかし人口減で人数が足りず、ホテルを経営する父の高広さん(48)と明香さん親子に役目が回った。明香さんは4月から、東京の大学で語学を中心に学ぶため、ふるさとを離れるという。

 式には観光客や地元住民など約120人が集まった。はかま姿の明香さんらは何回か「福は内」と念じた後、大きな声で1回だけ「鬼は外」と叫ぶ。すると、赤や青のカラフルな衣装をまとって角をつけた鬼役の子どもたちが登場。鬼に扮したのは地元の子どもたち7人で、勢いよく本堂から外へ駆け抜けると、盛んな拍手を浴びた。最後に、縁起を担いで玩具やお菓子などをまく「がらまき」を楽しんだ。

 明香さんは面倒見がよく、地域でも人気者だという。人だかりの中に顔見知りの子どもらの姿を見つけると、思わず「ありがとう、みんな。いつまでもふるさとが大好きでいてね」と声を上げた。

 傍らで娘の姿を見つめていた高広さんは「もういなくなるのかと思うと寂しい」。あふれる涙をぬぐった。(梶山天)