[PR]

 政府・与党は、少年法の対象年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げる同法改正案の今国会提出を見送る方向になった。18、19歳の更生機会が失われるとの反対論が強く、与党内の調整がつかないためだ。政府は民法の成人年齢を18歳にする2022年に合わせた少年法の年齢引き下げを視野に入れるが、実現は厳しくなりそうだ。

 対象年齢を引き下げる議論のきっかけとなったのは15年、自民党の特命委員会が「満18歳未満に引き下げるのが適当」として法相に提出した提言書だ。

 この年、川崎市で中1男子が殺害された事件のリーダー格が18歳だったことに加え、自民は選挙権年齢や民法の成人年齢とそろえる「国法上の統一性や分かりやすさ」を重視。その上で18、19歳には少年法の保護処分に相当する別の制度を設ける検討も行うとした。

 これに真っ向から反対してきたのが公明党だ。人格的な発展段階である18、19歳について「更生する余地が大きく、チャンスを残すべきだ」(党幹部)と主張。北側一雄副代表は1月22日の記者会見で「民法と少年法は目的が違う。18歳成人といって、直ちに少年法の対象年齢を引き下げなくてはいけないとは考えていない」と述べた。

 自民、公明両党は昨夏以降、改正案をめぐり水面下の協議を重ねてきた。2月の法制審議会(法相の諮問機関)の総会を前に与党方針をまとめようとしたが、昨年11月29日の協議では北側氏が自民党の法相経験者らに、対象年齢の引き下げについて「絶対にだめだ。とても譲れるものではない」と強く反対。協議は年末の段階で事実上、打ち切りになった。

 与党協議で公明党がとりわけこだわったのが、少年事件のすべてが捜査側から家庭裁判所に送られる全件送致の仕組みだ。大人であれば検察官が起訴するかどうか判断するが、少年事件の場合、更生のために家裁が本人の性格や生い立ち、家庭環境も含めて原因を調べ必要な処分を決める。

 同党は、こうした家裁が事件に関わる意義を重くみる。「事件を起こした少年への『お世話焼き』が、再犯リスクを減らす。若年者の社会復帰のために有効だ」(公明議員)との立場を崩さなかった。

 政府の法案提出には、自公両党の事前承認が必要だが、今のところ公明党が譲る様子はない。少年法の対象年齢引き下げは、野党側にも強い反対論がある。「桜を見る会」をめぐる疑惑などで国会の与野党対立が強まる中、自民党は現段階での法改正は困難と判断。通常国会への改正案の提出は見送られる方向だ。(大久保貴裕)

■議論3年、なお…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。

無料会員の方に有料会員限定記事を無料公開しています。 ※一部記事を除く

無料会員に登録いただくと続きをお読みいただけます。すでに無料会員の方はログインして続きをお読みください。

無料会員の方に有料会員限定記事を無料公開しています。 ※一部記事を除く