拡大する写真・図版サンギラン遺跡で見つかった約82万年前の頭の化石=国立科学博物館の馬場悠男さん提供

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 ジャワ原人が、インドネシアのジャワ島にいつごろから住み始め、いつごろ絶滅したのか。その謎に迫る新たな論文が最近、相次いで発表された。アフリカから外の世界へ出た初期の人類が、どうジャワ島に至り、やがて現れる現代人の祖先(ホモ・サピエンス)とどんな関係だったのか。そんな輪郭が少しずつ見えてきた。

拡大する写真・図版サンギラン遺跡から出た約90万~110万年前の下あご=松浦秀治さん提供

 ジャワ原人は、アフリカの猿人から進化したホモ・エレクトスのうち、ジャワ島に至ったグループを指す。100万年余りにわたって生息し、その間に脳の容量が増え、歯は小さくなったことが分かっている。しかし、いつごろジャワ島に現れて、いつ絶滅したのかは必ずしもはっきりしていなかった。

 ジャワ原人の化石が1930年代から100点以上出土し、世界文化遺産にもなったジャワ島中部のサンギラン遺跡。ここで見つかった最古の化石の古さについて、150万年以上前のものだとする米研究者の報告が20年ほど前に出て、130万年くらいまでとする見方との間で議論があった。

 国立科学博物館(科博)の松浦秀治客員研究員や神戸大の兵頭政幸教授を中心とする国際チームは、この遺跡周辺に広範囲に分布する火山灰に含まれる鉱物ジルコンに着目した。放射性元素が崩壊した痕跡などを検討したところ、これまで化石を前期と後期に分けていた地層の古さは約90万年前、最も古い化石が出た地層は約130万年前までという結果になった。

拡大する写真・図版ガンドン遺跡のそばを流れるソロ川。ジャワ原人の主な遺跡はいずれもこの川の流域にある=アイオワ大など提供

 成果は今月、米科学誌サイエンス(https://science.sciencemag.org/cgi/doi/10.1126/science.aba3800別ウインドウで開きます)に発表された。松浦さんは「150万年前より古いというこれまでの研究は、試料の選択や測られた年代の解釈に疑問がある」と話す。

 ホモ・エレクトスは、190万年ほど前にアフリカに現れ、約180万年前にアフリカ以外の地域に広がり始めたとみられている。やがて西アジアを経て、東南アジアへ到達してジャワ原人になったとされる。今回の結果は、その移動に従来の見方より長い時間を要したことを意味する。

 サンギラン遺跡で見つかった古…

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