[PR]

 他人が所有する山林の杉を無断で伐採して盗んだとして、森林法違反(森林窃盗)の罪に問われた宮崎県日向市の林業会社長、黒木達也被告(62)に対し、宮崎地裁は27日、懲役1年執行猶予4年(求刑懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。黒木被告は同日、控訴した。

 判決によると、黒木被告は2018年9月1~3日ごろ、売買契約を結んでいない70代と80代の男女2人がそれぞれ所有する同県国富町の山林の杉計20本(21万5千円相当)を従業員に伐採させ、盗んだ。

 森林法に基づく森林窃盗の罪は刑法の窃盗罪と同じく、盗みの意図の立証が必要。公判では「被告の犯意を立証できるか」が焦点となった。黒木被告は周辺の別の所有者とは契約を結んでいたが、検察側は「仲介業者から事前に、切ってはいけない範囲の説明を受けていたのに伐採した」と意図的な「盗伐」と主張。弁護側は「契約済みだと思い込み、伐採してしまった。窃盗の故意はない」とし、作業ミスによる「誤伐」として無罪を訴えていたが、今沢俊樹裁判官は「不自然で信用できない」として弁護側の主張を退けた。

 林野庁の調査などによると、18年に全国の自治体などに寄せられた無断伐採に関する相談78件のうち、宮崎県は38件で最多。だが、盗伐事件として起訴されるケースはごくわずかで、今回のように伐採業者が有罪となるケースは珍しい。(大山稜)