[PR]

 大相撲初場所で初優勝した西前頭17枚目の徳勝龍(33)が千秋楽から一夜明けた27日、東京都墨田区の木瀬部屋で記者会見に臨んだ。幕内の番付最下位にあたる「幕尻」からの栄冠を振り返り、「優勝できるような力士じゃないと思ってた。自分でもまさかですね」と喜びを語った。

 優勝を決めて涙を流した後の場内インタビューでは「自分なんかが優勝していいんでしょうか」などと話して、観客を何度も笑わせた。このインタビューは実は、風呂場で練習を積んだもの。ここに、徳勝龍らしさがあふれる。

 奈良県出身で、実家は常に笑いであふれていた。小さいころから、母親に「つっこまんかあ」と言われながら育った。この日の会見では「笑かしてやろうという『関西魂』がでましたね。ちゃんと、お客さん笑ってました?」。

 場所中は、何日目か分からないほど一日一番に集中し、周囲に「今日は何日目だっけ」と確認することもあったという。今場所の好成績につながった出来事として、2年ぶりに幕内に返り咲いた昨年夏場所で4勝11敗と大敗したことを挙げる。「幕内に上がれて、ほっとしたところがあった。やっぱり満足したらだめだ」と、考え方が変わったのだという。

 徳勝龍と同じ1986(昭和61)年度に生まれた力士には出世した力士が多く、「花のロクイチ組」と呼ばれる。そのうちの1人、荒磯親方(元横綱稀勢の里)から「自分以外の人の相撲で感動したのは初めて」と言われ、一番うれしかったという。お祝いの電話やメールは500人ほどから届き、まだ返しきれていない状態だ。

 来場所は地元関西で開かれる春場所になる。「優勝したんで、次もいい成績を残さないと笑われる」と活躍を期す。徳勝龍の下の名前は誠。「まこちゃんとか徳ちゃんとか呼んで応援してもらえたらありがたい」と話した。(内田快)