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拡大する写真・図版下道基行「台中、台湾 『torii』より」2006~12年=国立国際美術館蔵 (C)Motoyuki Shitamichi

 東京五輪・パラリンピックにあわせて文化庁が旗を振る「日本博」。大阪・中之島の国立国際美術館でも、その一環としてコレクション展が開かれている。作品を見て考えた。「日本独自の現代美術」って、本当にあるの?

 展覧会は「現代日本の美意識」と銘打ち、1950年代から2010年代にかけて制作された約90点を全3章で紹介する。安來(やすぎ)正博・主任研究員は「外国の人に日本の現代美術をPRする、ある意味ベタなラインナップ」と言う。

拡大する写真・図版「現代日本の美意識」展の会場風景=2020年1月、大阪市北区

 モノトーンの統一感を意識して構成された第1章は、木や和紙、墨など素材の選び方に、戦後作家たちの「日本回帰」への意志が感じられる。「彼らは明治以来の欧米追従を反省すると同時に、国際舞台に日本美術を売り込むにあたり、戦略的に『日本』を打ち出した」と安來さんは話す。

 一方、黒の画面に巨大な白い円を描いた吉原治良(じろう)の「無題」や、線のにじみが水墨画を思わせる津高和一(つたかわいち)「機」からは、中国を起源とする書や禅宗の円相に対する関心がうかがえる。「刻みより」で木の板をノミの荒い削り跡で埋め尽くした李禹煥(リウファン)は50年代に来日。木や石といったモノの存在や関係性を問い「東洋的」とも評される美術運動「もの派」を主導した。

拡大する写真・図版李禹煥「刻みより」1970年=国立国際美術館蔵、福永一夫撮影

 時代性の強い作品群で、終戦か…

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