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 昨年10月の台風19号災害による千曲川の堤防決壊が目前に迫っていた長野市長沼地区で、4カ所の火の見やぐらにのぼり、半鐘を5分間、鳴らし続けた消防団員たちがいた。この音で危機感を覚えて避難した人も少なくなく、「地域住民の安全確保に尽力した功績」で27日、市消防団長沼分団に市長表彰が授与された。

 長沼分団長の飯島基弘さん(47)ら4人が、木づちで半鐘を連打したのは堤防決壊の数時間前、10月13日午前1時過ぎのことだ。

 長野市は12日午後11時40分、川の水が堤防の上を流れていく「越水」の恐れがあるとして、この地区などに避難指示を発令。だが、自宅に戻った団員からは「まだ1階に電気がついている家が多くある」と飯島さんに連絡が入った。

 「いまは気密性の高い家が増え、防災無線も広報も聞こえにくい」(市消防団副団長)という事情もあるが、飯島さんは「越水はあっても決壊はなく、2階にいれば大丈夫だろうという安心感があったと思う」と振り返る。

 日付が変わると「堤防決壊の恐れ」との情報も伝わり、消防団活動20年の飯島さんは半鐘を打つことを決意。自身を含む4人の団員が地区内4カ所の最高約8メートルのやぐらへ向かい、別の2人は車で地区内を回って避難を呼びかけた。決壊地点の穂保にある約4メートルのやぐらを、強まる風雨ですべる手元に注意しながら、命綱を用意する余裕もなくのぼった飯島さん。「両手の腕の感覚がなくなるほど、5分間は思いのほか長かった」

 当初、深夜の避難の呼びかけは…

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