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 「学びたいことが学べない」。昨年8月、大学生の丹伊田杏花(にいだきょうか)さんが「論の芽」で提言した「文系と理系の壁」には多くの意見が寄せられました。多くの大学で文系と理系で試験科目が異なり、高校の早い段階でコース別に分かれます。果たしてそれでいいのでしょうか。

早稲田大学政治経済学部長 川岸令和さん

拡大する写真・図版川岸令和さん

 早稲田大学政治経済学部は来年の入試から、数学を必須にします。また、日本語と英語の長文を正しく理解し、批判的視点をもって自らの考えを論理的に記述できるかを問う独自試験も実施。高校生活を通じた教室の内外での学びをふまえ、答えが一つではない問題に取り組んでもらい、理解力や論理的思考力の素養を問います。それによって、文理に分かれ、限られた科目の「入試対策」に終始するといった学び方への問題提起になればよいと考えています。

 1962年生まれ。専門は憲法学。著書に「憲法 第4版」(共著)「立憲主義の政治経済学」(編著)など。

 例えば、統計的手法での分析は、経済学ではもちろん、政治学でも必要となっています。こうした学問の進化にともない、先行していた経済学科・国際政治経済学科に加えて、今年度の入学者から政治学科の学生にも統計学を必修科目としました。いわゆる「私立文系コース」で数学の素養が全くないと授業の理解が困難となっていることも入試で数学を必須にした理由の一つです。必須とするのは大学入学共通テストの数学Ⅰ・Aだけですので、数学を得意としない受験生にとっても負担感は小さいと考えています。

 地球温暖化や経済格差など、人類は、はっきりとした解決法があるかどうかわからない問題に直面しています。大学は本来、すぐに陳腐化してしまうような知識ではなく、課題に果敢に挑戦していくための知恵を身につけるところです。

 ところが今の大学入試ではその素養や意欲は測れず、文系と理系の科目に分かれて細切れの知識を問うています。こうした試験ならば、基礎的な問題にとどめてもいいのではないでしょうか。そうすれば受験対策に追われずにすみ、文系科目も理系科目も、幅広く学ぶ余裕もできるのではないかと思います。

 受験生には、高校時代は、興味…

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