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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金約7800万円を文化庁が全額不交付とするなど、2019年は公的なお金と芸術の関係のあり方が問われた年だった。

 全国でも数少ない公立劇団の一つ、静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督、宮城聰さんは、芸術に公金を支出する意義をどう考えているのか。2007年の就任以来、世界各地から作品を招くと同時に、SPACの海外公演も成功させてきた宮城さんに、劇団が県民にとって必要な存在と思ってもらうため、どんなことをしてきたのかを聞きました。

 ――SPACは1997年、当時の石川嘉延・静岡県知事と演出家・鈴木忠志さんの強力な連携の下、県立の劇団として活動を始めました。宮城さんの芸術総監督就任後、県知事が石川さんから川勝平太さんに変わり、環境も変化する中で、活動を維持しています。

 「自治体が劇団を持つと考えた場合、公務員としての俳優を雇うことをイメージすると思います。鈴木さんの発想は正反対。全員が目的を共有している『劇団』という集団を、県がサポートする構造でした。単に『人から求められた色を出す』集団では、世界に通用しないと考えたのでしょうし、だからこそ続けてくることができたのだと思います」

 「石川知事と鈴木さんの時代のSPACは、他の自治体の公立劇場の関係者から『特別過ぎて参考にならない』と思われていたと思います。私も(知事と芸術総監督が交代すれば)、そのままではいかないことは分かっていました。でも、川勝知事は文化に深い理解のある方ですし、静岡県出身者でないという点では僕と同じです。静岡を客観的に見て、その価値を高めたい、アピールしたいと考えている点では、発想が相似形だったと思います」

必要と言われるために

 「地方自治体は歳入が頭打ちになる中で、既存事業にシーリングをかけ、新たな事業の予算を確保しています。SPACも時折、新たな事業を立ち上げることで、持ちこたえてきました。新たな事業を考える意味は、それだけではありません。県民の中にあるニーズを探り当て、それを形にする努力は、公立劇場にとって大事なことだと思います」

 ――実際に県民の理解を得るため、どのような活動をされてきたのでしょうか。

 「静岡県民は約360万人。数…

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