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 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法9条に違反するなどとして、関西などに住む992人が国に対し、同法による自衛隊出動の差し止めや国家賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。三輪方大(まさひろ)裁判長は差し止めの訴えを却下し、賠償請求は棄却した。

 同様の集団訴訟は全国22の地裁や支部で25件起こされ、原告は約7700人にのぼる。今回の判決は札幌、東京両地裁に続いて3件目。

 原告側は、2016年3月の同法の施行で、他国が攻撃された場合にまで自衛隊が出動することになり、武力行使は日本が武力攻撃された場合に必要最小限度で行われる場合のみ許されるとする憲法9条の解釈に違反すると主張。原告らは戦争に巻き込まれる不安にさらされる生活を余儀なくされ、憲法が前文でうたう平和的生存権を侵害されたとしていた。

 一方、国側は平和は抽象的かつ不明確な概念で、平和的生存権は裁判の対象となる具体的な権利とはいえないと反論。戦争に巻き込まれるおそれが高まるとする原告側主張についても、「漠然とした不安感を抱いたという域を超えるものではない」と反論していた。

 安保法は集団的自衛権の行使を認め、米軍への後方支援の内容も広げた。同法成立前の15年6月にあった衆院憲法審査会では、3人の憲法学者がいずれも「違憲」と指摘。前橋地裁と横浜地裁での証人尋問では、元内閣法制局長官の宮崎礼壹(れいいち)氏が「安保法は違憲」と証言していた。(米田優人)