拡大する写真・図版 「バレンボイムがイスラエル・パレスチナの若者の楽団を作ったように、他国の子どものオケと一緒にやる機会を持ちたい」と坂本は語る=福島市、小玉重隆撮影

[PR]

 このごろ災害などが起きた時にやたらと叫ばれる「音楽の力」という言葉に、ミュージシャンの坂本龍一さんは強い嫌悪感を抱いているという。東日本大震災後に東北で子どもたちのオーケストラを指導するなど、音楽を通じた社会活動を続けてきた坂本さんがなぜいま、そう考えているのか。福島県の練習場を訪ねて聞いた。

メッセージをこめるのは苦手

――岩手、宮城、福島の被災3県の子どもたちで「東北ユースオーケストラ」を結成し、音楽監督に就任されたのが、2014年。演奏会を定期的に開催するなど定着した印象があります

 「もともと僕は何かを始めてもすぐ他のことをやりたくなっちゃう、飽きっぽい性格なんですよ。今まで僕が出してきたアルバムって、全然一貫性がないでしょ? だけど、これは簡単には放り出せない。そんな覚悟で臨んでいます」

 ――熱心に指導している姿が印象的でした

 「この東北ユースオケは誰がしようと言ったわけではないが、上下関係、年齢による差別がない。小学生と大学生がため口で友達になっている。それが自然だと思っていたが、夏合宿をした時、そのことを話してみたら『他にそんな場所はない』という。家でも学校でも上下関係、縦社会がある、と」

――確かに学校でも、体育会系な吹奏楽部ってありますからね

 「僕は本当にそういうやり方が嫌いです。楽しくない顔をして音楽をやるんだったら、意味がないと思っている。ここは下手でも楽しくやるのがいいし、大人も子どもも関係ないフラットさがいい。それも誰かが指導しているわけでもなく自然になっている。それが本当にうれしい」

――こういう活動は「音楽の力」が……

 「僕、一番嫌いな言葉なんです…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/12まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら