大統領の弁護団「ボルトン氏主張は出所不明」 弾劾裁判

ワシントン=野上英文
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 トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」をめぐる米上院の弾劾(だんがい)裁判は28日、弁護団が3日間の冒頭陳述を終えた。「弾劾訴追を拒否するよう求める」と改めて訴えたうえで、焦点となっているボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の証人召喚は、「認められない」と主張した。

 弁護団を率いるシポロン大統領法律顧問は、訴追決議(起訴状に相当)を「憲法基準からほど遠い」と疑問視し、「(野党・民主党が)成功した大統領を選挙前に追い出してくれと懇願しているだけで、民主的な制度を弱める」と訴えた。また、弁護団のセクロー氏は、ボルトン氏がトランプ氏の主張と異なる内容の著作を準備していることに触れ、「出所不明の主張で大統領を弾劾することはできない」と語り、証人召喚を認めないよう求めた。

 弾劾裁判は29、30日と陪審員の上院議員が書面で提出した質問に検事役、弁護団の双方が答える予定。証人を召喚するかどうかの採決は、31日に行われる見通しだ。召喚するためには与党・共和党から少なくとも4人が賛成する必要がある。米メディアによると、28日に開かれた共和党の内部会議では態度を明言しない議員もおり、反対は定数の過半数に届いていないという。ただ、トランプ氏は阻止したい意向で、駆け引きが続くとみられる。(ワシントン=野上英文

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