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それぞれの最終楽章・救命現場の悩み(1)

済生会横浜市東部病院副院長・山崎元靖

 この病院は横浜市鶴見区を中心に川崎市の一部も含め、年間2万4千人の救急患者を受け入れています。もちろん、救急医は1秒を争い救命に全力を尽くしています。しかし超高齢社会を迎え、救急搬送されてきた患者さんを救命すべきなのか、本当に悩むことがしばしばあります。

 ある夜、末期がんの中年女性が心肺停止の状態で救急搬送されてきました。病院に到着した時、人工呼吸や心臓マッサージの1次救命だけでなく、当番の救命指導医の指示のもと、気道にチューブを入れ点滴もする2次救命処置も行われていました。病院での治療でも女性は回復せず、間もなく死亡を宣告しました。すると翌朝、女性の主治医から「勝手に治療するんじゃない。なぜ救命処置をしたのだ?」とお叱りを受けました。

 女性は、ほかの病院の緩和ケア病棟に入院し、延命を拒否する意思を明確にしていました。ところが外泊許可を得て自宅に戻った日に急変、心肺が停止してしまったのです。

 家族も延命拒否の意思は知っていましたが、急変すると救急車を呼び、駆けつけた救急隊員に蘇生処置をするか問われて「息を吹き返すなら、やれることは全部やってほしい」と頼みました。横浜市の規則では、2次救命処置をするか、救命指導医に相談しなければなりませんが、救命を希望する家族を無視する指導医はいません。かくして、穏やかに死にたいと延命処置を拒否していた女性に濃厚な救命処置がとられました。

■物言わぬ患者が求める最期の医…

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