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 インターネット上の海賊版対策のため、著作権侵害物のダウンロードを規制する要件について、「著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合を除く」とする案を、自民党の知的財産戦略調査会が30日、まとめた。著作権者の収入などに影響がない利用の仕方を過度に規制しないためで、政府が提案する著作権法改正案に反映される見通しだ。

 著作権者の収入などに影響する典型例は、漫画の海賊版サイトなどだ。一方で「害しない」場合の例としては、詐欺集団のつくった詐欺マニュアルを被害者救済団体が告発サイトに無断掲載▽ある論文を別の研究者が批判とともにサイトに無断転載▽有名タレントがお勧めイベントを紹介するためにそのポスターを無断転載したSNS――などがある。こうした情報をダウンロードやスクリーンショットをする行為については、「特別な事情」として対象外とする。

 ネット利用を過度に萎縮させないようにする規制の除外要件については、これまで文化庁の有識者検討会で議論してきた。著作権侵害物が付随的に写り込んだ場合や軽微なものを違法としない方向としたものの、さらに「権利者の利益を不当に害する場合」だけを違法とするよう絞り込むかについては、意見が分かれたまま折り合えなかった。出版業界側からは「利益を不当に害されたと裁判で立証しなければいけなくなると、海賊版対策としての実効性が失われる」と強い懸念が示されたためだ。海賊版対策の抜け穴と過剰規制のバランスをどこでとるか、文化庁はこの要件の採否を「政治判断」に委ねていた。

 自民の調査会は、権利者の利益にかかわらず規制する方向に軸足をおきつつ、過剰規制の可能性として挙げられたようなケースは「特別な事情」として除外されると明記することで、懸念をなくすようにした。法律上、この書きぶりだと仮に訴訟になれば、利用者側が立証責任を負うことになるという。

 調査会は近く、とりまとめた内容を政府に申し入れる。政府は具体的な条文を練り、開催中の通常国会に法改正案を提案する。(上田真由美)