あの山脈もあの事件も…山の図書館15年の「あしあと」
徳山徹
「山の図書館」の愛称で登山者に親しまれている「九州登山情報センター」(福岡県太宰府市内山)が発足15周年を記念し、これまでの会報をまとめた「あしあと」を出版した。約9千冊の蔵書を一般公開しながら登山者の問い合わせにも気軽に応じ、この間の来館者は延べ約3万人に達したという。
宝満山(標高829メートル)登山口のログハウス。「入館無料」の看板の横にあるドアを開けると、薪(まき)ストーブでヤカンが湯気を噴き、壁にザイルやピッケルが飾られていた。書架には山岳関係書の背表紙が並ぶ。
センターは県勤労者山岳連盟の元会長、重藤秀世さん(76)を中心に登山者らが2004年4月に開設した。登山歴50年の先輩から約3千冊を寄贈されたのがきっかけ。登山の楽しさ、知識を習得してもらう目的だ。
「岳書」と呼ばれる山岳関係の書籍が失われるのを防ごうと積極的に寄贈を受け入れており、蔵書は約9千冊に。「登山技術は先輩に教えてもらうだけでなく、本を読んで自分で学ぶもの。山の図書館は登山をするうえでの学習手段のインフラだ」と館長の重藤さんは話す。
本棚には登山家の植村直己や…
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