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 新型コロナウイルスによる肺炎が最初に広まったとされる中国の湖北省武漢市から、在留邦人の退避が続いています。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国政府が封鎖した武漢には160社超の日本企業が進出し、600人近い邦人が滞在していました。武漢は中国のほぼ中央部に位置する人口約1100万人の大都市で、北京から1100キロ離れた内陸部にあります。かつては「東洋のシカゴ」とも称され、ビジネスの拠点としての期待が集まる場所。日本との深いゆかりもありますが、一体どんな街なのでしょうか。

拡大する写真・図版武漢市の夜景=2019年10月、馮川さん提供

 武漢市の華中師範大学に十数年在籍し、現在は千葉商科大学で中国近現代史を教える趙軍教授(66)は、武漢の人たちの気質について、次の3点を挙げました。

・困難を恐れず、天地がひっくり返っても怖がらない

・勇敢で下克上を恐れない

・視界が広く、新しいことにチャレンジする精神が育つ

 これらを聞くと、ビジネスにはもってこいの街のようです。人々の気質は、この土地の歴史と風土に関係があるようです。

拡大する写真・図版武漢市で23日、バリケードで出入り口が封鎖された漢口駅=AP

 趙教授によると、武漢は古くから鉄鋼の街として知られ、中国で一番早く製鉄所と兵器工場が出来たそうです。1920年以降は、英、仏、独、ロシア、日本の租界地となり、30~40年ごろには「東洋のシカゴ」と呼ばれました。五大湖とミシシッピ川をつなぐ米国のシカゴが、貿易で栄えた交通の要衝だったことに由来するそうです。現在も自動車産業の集積地として知られ、ホンダや日産のほか、プジョー、ルノーなど世界の大手自動車メーカーが進出しています。フランスや英国などは武漢に総領事館を置いています。

 また、1人当たりのGDPは12万5千元(約200万円)で、北京(14万元)、上海(13万5千元)に肩を並べる規模に近づいています。

 進出した外国企業に人材を供給しているのが、武漢に80以上ある大学です。武漢は中国が最初に近代教育を導入した都市の一つで、市内には130万人以上の大学生がおり、その数は北京や上海をしのいで中国で最多を誇っているといいます。趙教授は「中国で最多ということは、世界で最も大学生が多い都市とも言えると思います」と指摘しました。

拡大する写真・図版武漢市で1月28日、市内を流れる長江の様子=AFP時事

 外国企業が注目してきた武漢ですが、49年の新中国成立後に、初めて国際友好都市の協定を結んだのは79年、日本の大分市でした。大分市の担当者は、武漢市との関係を「鉄のつながりで結ばれている」と説明します。

 大分市によると、交流のきっか…

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