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 2018年に長女が生まれてから計2回、あわせて2カ月間の育休を取った。テレビや新聞で男性の育休体験を見る機会も増えて「もう珍しくない」と思っていたが、実際にはそうでもないようだ。どうすれば男性の育休は増えるのか、実体験から考えてみた。

 東京出身の私は男性で、記者歴12年の37歳。18年春に大阪市から静岡市に転勤し、同年10月に娘が生まれた。在宅で働く同級生の妻も東京出身。静岡に子どもを預ける親族はおらず、育休は自然な選択だった。

 出産直後に31日間、娘が1歳2カ月になった19年12月から32日間、有給休暇も含めて計63日間を休んだ。

 最初の育休での主な役割はミルクとおむつ交換、沐浴(もくよく)だった。家事については妻からの「指示待ち」。洗濯は「干してくれるとうれしい」と言われるまで、洗濯機に入れっぱなし。床の汚れに気がつかず、出産と授乳で疲れ切った妻が掃除することもあった。

 妻に「おむつはどこだっけ」「下着はどこにしまえばいい」と質問することもしばしば。どのように家事をするか、どこに何があるかを事前に考え、育休前に準備しておくべきだった。

 2回目は「夜間断乳」のために取った。娘は普通の食事を食べ始めたが、毎晩、数時間おきに夜泣きし、母乳がないと寝ない。妻は1年間、一晩中熟睡できたことがなかった。

 この時期は、私が午前中に朝食や散歩を担当し、午後は3人で過ごした。夜は私が寝かしつけ、妻は別室で寝た。数日で母乳なしでも寝るようになったが、慣れるまでは夜中に数時間も泣いたので、仕事をしながらでは難しかった。

 育休の感想を妻に聞くと、家事分担とともに「遠慮せずに頼れる相手がいること」の効果が大きかったという。「美容院やマッサージに行ける。ひとりで風呂に入れる。『つらい』『かわいい』と言いあえることで、心に余裕が生まれた」と話してくれた。

「かくれ育休」の理由

 政府が男性の育休取得を推進するのは、出生率を上げるためだ。少子化で「年金や医療が立ち行かなくなる」という危機感があり、厚生労働省はホームページで「女性側に偏りがちな育児や家事の負担を夫婦で分かち合うことで、女性の出産意欲や継続就業の促進にもつながる」としている。

 静岡県の18年度の調査では、県内の男性の育休取得率は8・7%。15年度の2・9%から大幅に増えたが、期間は「1週間未満」が約8割。県担当者は「出産前後だけ休む男性がほとんど。これで育児休業と言えるかどうか」と語る。

 たしかに、育児の主語は「ママ…

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